腰痛の痛みが消えたからといって治ったのではない

腰痛に限ったことではありませんが、様々な要因によって体に現れていた「痛み」が引いた時点で、多くの人は「治った」と考えてしまいますが、人によって「治る」という言葉は受け取り方が違います。

そして、人によって受け取り方が違う「痛み」の代表的なものとして「腰痛」の痛みがあります。

「体に負担をかけない水中ウォーキングで腰痛が治った」と言う人や、「整骨院でマッサージをしてもらったら腰の痛みが治った」という人等、本人が痛みを感じなくなった時点で「治った」という人はきっと多いことでしょう。

しかし、このどちらのパターンも、実際には治ったのではなく、「一時的に痛みが引いた」という状態なのです。

別の例としては、「何かしらの運動を行うと痛むが、それ以外では治っている」とか、「重労働をすると自分だけ節々が痛くなる。でも鍛えたら痛みが引いた(治った)」という人もいます。このどちらの例も、あきらかに筋力不足からくる「筋肉痛」です。

何かしらの原因があるから「痛む」のであって、その原因が無くなる事が本当の意味での「治る」であると考えてください。痛みが消えたから治ったというわけではないのです。

分かりやすい例で言えば、虫歯が痛み出した場合、鎮痛剤を飲めば一時的ではありますが痛みは治まります。しかし、虫歯自体の治療を行ったわけではないので、「痛みの原因」は残ったままです。この状態は決して「治った」とは言わないでしょう。

しかし、人間は痛みが一旦治まれば、それを「治った」と錯覚する、あるいはそう思い込もうとする節があります。

腰痛も同じで、一時的に痛みが引いたものの、原因を取り除いたわけではないので再び痛みが再発し、時間が経てば治まり、そしてまた再発するという繰り返しで、症状は徐々に悪化していく結果となってしまうわけです。

痛みに耐え切れず、病院で診察を受けた場合は、注射による痛みの緩和や鎮痛剤、湿布による痛み止め、筋弛緩剤(きんしかんざい:筋肉を柔らかくする薬)や、血液の循環を良くする薬が処方されます。

腰痛の診断において有名なのが「椎間板ヘルニア」ですが、この場合、殆どの病院で痛み止めと筋弛緩剤、血液の流れをよくする薬が処方されますが、椎間板が飛び出して痛みを生じていることが原因であるとすれば、痛み止めで椎間板が元に戻るわけではありません。また、筋弛緩剤で椎間板がへこんだり、血液の流れを改善したとしても、椎間板はへこみません。

この様に、注射や薬、湿布などで一時的に痛みが無くなった場合でも、それらの効果が切れることでまた痛みは再発してしまいます。

ここでも負のスパイラルが発生し、痛みが出ては病院へ行き、治まってはまた病院へ行くということの繰り返しに陥ってしまいます。

痛みに限らず、「治す」ということは、原因を取り除いてまったくの0にすることであり、改善する程度のことではありません。「治った」ということは、痛みの元凶となっていた「原因」の全てが無くなった時点ではじめて利用すべき言葉なのです。

2013年12月16日

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