遺伝的な要因
うつ病の原因には、まず遺伝的な要素があります。データによると、一卵性双生児で一人がうつ病になった場合、もう一人がうつ病を発症する確立は25%から93%になります。
また、兄弟や親子間において誰かがうつ病になると、他の人がうつ病になるケースは、そうでない場合の1.5倍から3倍までに高くなります。
この様に、血縁関係にある親族にうつ病を発症した人がいることで、他の人の発症率が高くなる傾向が見られます。もちろん必ず発症するということではなく、他の要素が複合的に絡み合うことで発症する確立が高くなるということです。
脳の形が原因となるもの
また、うつ病を発症した人の脳の画像を集めて研究した結果によると、脳の形に共通した傾向が見られることも明らかになっています。
もちろん脳の形の異常がそのままうつ病の発症の原因につながるというわけではありませんが、うつ病を発症している人の脳においては、大脳基底核や前頭葉、小脳などの部分が小さくなっています。
生活環境の変化
また、生活環境の変化やショックなできごと、悲しいできごとなどの外部環境がうつ病を引き起こすきっかけになることも知られています。
職場や学校でいじめられていたり、理由もなく不利な立場に立たされているといった経験が長く続くことや、仕事を失ったり望まない場所に転勤になったり、両親が離婚したり、家庭内の不和が長期間続いたり、さまざまなできごとが関連しています。
しかしそれだけではなく、逆にうれしいことによってうつ病になるケースもあります。出世や栄転、マイホームを新築したり、結婚や出産をしたりなど、人生における喜ばしいイベントによってもうつ病になってしまう人がいます。
うつ病になりやすい性格とは?
うつ病は性格的な要素が大きく関与しているとも言われています。うつ病になりやすいとされる性格を持つ人の特徴は以下のとおりです。
几帳面で責任感が強い人
几帳面で神経質、仕事にも熱心に打ち込んでいるような、責任感が人一倍強くて周囲からの信頼も厚い人です。
⇛真面目すぎる性格も要注意!几帳面で真面目な人は疲れやすい
⇛責任感の強い人は疲れやすい
頑固で自分に厳しい人
「執着性格」と呼ばれ、適当に休息したり正しいと思ったことを曲げたりすることがなかなかできないため、うつ病を発症しやすいとされています。
優しい人
まわりの人との調和を重んじるあまり、人から頼まれると断れず、人のために尽くすことを最優先としている、「メランコリー親和型性格」と呼ばれる人たちです。この性格の人は周囲に気を使い過ぎることでついストレスを溜め込んでしまいます。
他にも、全てのものごとを自分の思う通りに進めたいと思うことでストレスを感じてしまう「自己愛性格」や、親切で活発、社交的などの「循環気質」と呼ばれる性格特性についても、うつ病との関連性が指摘されています。