ストレッチ・マッサージ・入浴で疲労回復やうつむき症候群の対処法のページの中で、局所に疲れをためないためにもストレッチやマッサージを行うと書きました。ストレッチとマッサージを正しい方法で行えば、血流を回復させ、疲労物質を体外に排出する効果を得ることができるのですが、間違った方法で行ってしまうと、逆に患部を悪化させてしまう可能性もあります。
ストレッチやマッサージが逆効果になる場合
うつむき症候群の対処法のページでも、マッサージ方法について詳しく書いているのですが、このページでもその方法を紹介します。
- 1時間に一度は局所のマッサージを行なう
- 風呂上りに全身マッサージを行なう
これはコリを感じる前に、予防策としてマッサージやストレッチを行う方法と、帰宅後にその日の疲労物質を体外に排出しやすくするためのマッサージ方法です。ここで大切なのが、マッサージは「あまり力を入れすぎない」ことです。手のひらで軽く揉み解す程度でも十分効果が現れますので、「ググッ・・」と力をこめて揉む必要はありません。(※肩や腰であれば、心持ち強め、という程度でさすればOKです。)
肩こりや腰痛は、筋肉が「硬くなる」ことで引き起こされるということが分かってきましたが、コリを感じている患部を強く揉んだり、叩いたりすれば、余計に筋肉は硬直してしまいます。硬くなった筋肉はさらに血管を縮小させ、神経を刺激することでますます「痛み」が発生してしまうわけです。
筋肉が硬直することで発生する「痛み」のメカニズム
もう少し詳しく痛みの発生メカニズムを解説してみます。
同じ姿勢の連続や長時間のデスクワークを行うと、筋肉が緊張して硬くなってきます。血流も悪くなりますので、疲労物質が上手く排出されず、どんどんと溜まっていきます。筋肉が硬くなっているというのは、絶えず力コブを作っている状態と似ています。
この状態が長く続けば、静脈のポンプとしての役割が果たせなくなってしまいます。すると、先にも書いたように血の流れが悪化します。地の流れが悪くなると、運ばれてくる酸素の量が減ってしまい、酸欠状態になります。この酸欠状態が細胞にとっては大きなダメージとなるのです。
ダメージを受けた筋肉は、その状態を脳に伝えるために、ブラジキニン等の痛みを感じる物質の生成を開始します。その痛み物質を脳が受け取ることで、肩こりや首のこり、腰痛や痺れといった「痛み」の原因となるわけです。
入浴やマッサージ、ストレッチを行えば、一時的に血行が良くなります。筋肉の酸欠や乳酸の排出も一時的に改善されますので、そのときは痛みや痺れ、腰痛等はマシになったように感じられます。しかし、根本的に筋肉の「硬さ」を解決したわけではないので、体温が元に戻って血行が悪くなれば、また元の状態に戻ってしまうわけです。
軽度な体のコリと重度の体のコリでは対処方法が違ってくる
もちろん、マッサージやストレッチがまったく意味を持たないわけではありません。コリを感じているのに、マッサージを行わなければ、体のコリは益々悪化してしまいます。このページでお伝えしたい点は、現在の自分の「体のコリ」を見極め、最適な方法でそのコリをほぐすということです。
例えば、運動の後は筋肉に疲労物質が溜まっていますので、マッサージやストレッチによって血液中に乳酸等を排出することは、非常に有効です。運動前後のストレッチは、筋肉に運動をする準備と、運動後のクールダウンをさせるのに効果的です。
適温による、適度な時間の入浴は、心身共にリフレッシュ&リラックスできますので、自律神経の乱れを改善し、免疫機能を高めて血流も良くしますので、コリを和らげることができるのです。
しかし、慢性化して症状が重たくなってしまった肩こりや腰の痛みに対するストレッチや入浴、マッサージは、どうしてもその場しのぎの対応となってしまいます。筋肉の緊張を解きほぐし、柔らかくする必要があります。その方法については、文章が長くなってしまいますので、別ページにて解説していきたいと思います。