小児期というものは、睡眠中に様々な異常が生じやすい時期で、睡眠時随伴症(パラソムニア)として別ページで概要を説明しているのですが、このページでは、主に小児期~青年期に起こりやすいものを取り上げています。
睡眠時随伴症の種類
悪夢
悪夢は幼児に多い現象で、日中の怖い体験が夢に出てきて、現実との区別がつかずに泣き叫んだりすると解釈されます。そして、怖い内容の夢を見た際には目が覚めてしまいます。
どの様な悪夢を見たのかについては、本人は内容を覚えている場合が多いようです。また、悪夢を見るのは性別では女の子に多く、子どもだけでなく大人でもみられます。
悪夢は、身体的・精神的な慢性ストレスの状態にあるときに起こりやすいのが特徴です。あまりにも悪夢を見る頻度が高い場合は治療が行われ、その際は抗不安薬や睡眠薬を飲みながらストレスへの対応をおこないます。
夜驚(やきょう)
就寝後に突然叫びだしたり、暴れだしたりします。しかし、数分も経てば症状は治まり、通常の睡眠に移行していきます。発症の時期は小児期が最も多く、学童期後半から青年期に好発します。
夢中遊行
寝ついてからまもなく突然起き上がって、部屋の中をうろうろと歩きまわる等の動作を行います。一見すると、普通に起きていると思えるような行動を伴うことが多く、動きにも目的がはっきりとしているという特徴がみられます。ある程度動いた後は、また睡眠に戻ります。
悪夢と違い、夜驚と夢中遊行は翌日に記憶として残っていません。また、「寝ぼけ」は夢中遊行とほぼ同じですが、行動のまとまりがほとんど見られない場合をいいます。
睡眠時随伴症の治療
以上の睡眠時随伴症は、成長とともに自然によくなることが多く、何か特別に治療を行うという必要はありません。しかし、症状があまりにも酷い場合は、薬物療法が適用されることもあります。