不登校の原因と症状・注意点について

体の病気や経済的な事情などがなく、心理的な要因で学校に登校できない状態を不登校といいます。不登校は、「登校拒否」や「学校嫌い」といったように、様々な呼び方がされていますが、病名ではありません。

また、「怠学(学問をなまけること。学校へ行くのをなまけること)」を不登校に含めるかどうかについては議論がなされており、最近では同じ児童でも不登校と非行との両方がみられることがあり、厳密に分けるのは難しいケースもあります。

不登校は、幼稚園から大学まで、児童から青年期のあらゆる年代で発生しますが、義務教育である小学校と中学校での不登校が特に重要とされています。不登校児は年々ふえており、1998年度の統計によれば、30日以上学校を休んだ小中学生は約12万8000人でした。最も高い割合にあったのは中学生で、割合で言えば43人に1人という高い数字となっています。

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不登校の原因

不登校の原因として、本人の性格的な問題や家庭的要因、そして、学校側の要因などが指摘されてきました。傾向としては、以前言われていた様な特殊な児童や特別な家庭的背景に起こるという考えから、誰にでも起こりうる問題であるというように視点が変わってきました。

症状としては、最初は、登校時間になると頭痛や腹痛、吐き気や微熱の症状を訴え、周りの家族も「風邪かもしれない」と思わせられます。しかし、学校を休むと体調不良はまもなく消え、一見すると元気になります。そして、翌日は登校すると明言したりします。

しかし、この様な状態が続いて不登校が長引くと、しだいに不安や罪悪感(学校に行けなかった、家族に悪いことをしているという思い)が生じます。そのような時期に登校をうながすと、逆に家族に反抗したり乱暴をしたりする家庭内暴力が生じることがあります。

また、そのような葛藤を避けるように引きこもりの状態になり、不登校が長期化してしまうという危険性も指摘されています。

不登校に関する治療

医療的なレベルで対応することは多くありません。教育関連の機関やスタッフが対応することが普通です。また、フリースクールなどの社会施設も増えており、学校が唯一の教育機関であるというイメージが変わりつつあります。

フリースクール

教科の選択などに生徒の自主性を重視する学習法を行い、従来の学校のような管理や評価などを行わない教育施設。

精神科的に問題になるのは、当該生徒が神経症やうつ病・統合失調症(精神分裂病)のような精神疾患にかかっており、不登校はその中の症状の1つと思われるときや、睡眠相後退症候群のような睡眠覚醒リズム障害が原因していると考えられるようなケースのときです。

この場合であれば、適切な治療で不登校の問題の解決を図ることができるでしょう。また、児童精神科医や臨床心理士により、不登校児の心理状態や家族診断が受けられれば、その後の対処が適切になることが期待できます。

不登校の定義

ページの冒頭でも説明しましたが、身体的、経済的、家庭的、社会環境的に、学校へ行けなくなる理由がないのに登校を拒否する状態を不登校といいます。不登校は、学校へ行けないという状態を表す言葉であり、その原因や背景には色々なものがあります。

一般的には、友人関係や教師との関係、学習や部活動などに関する、いわゆる学校での社会的な事柄に対するトラブルや、家庭での親子・兄弟間での葛藤、本人の性格、能力などが複雑に絡み合って不登校に至ってしまうと考えられています。

また、いじめや転校、学校活動に対する負担、学業不振、家庭内の不和などが心理的ストレスになり、それにうまく対応できずに逃避的になって不登校になるものがもっとも多いとされており、人前へ出ることの恐怖や、自我、自主性の発達が未熟で、親や家庭から離れて自立するのが困難だったり、本人に精神病的器質がある場合などがあります。

他にも、学校の勉強についていけなくなった場合も不登校の原因となる場合もあり、また、怠学(学校へ行くのをなまけること)や、非行型の不登校も増加しています。

不登校に見られる症状

はじめは身体的なうったえが多く、朝方に腹痛や頭痛、嘔気、嘔吐、気分不快、倦怠感(けんたいかん)、発熱といった風邪に似た症状をうったえます。心理的には不安感や焦燥(しょうそう:いらいらしたりあせることと)、癇癪(かんしゃく)、劣等感、抑うつ、無気力などがみられるようになります。

また、不登校の状態で無理に登校させようとすると、家庭内暴力を働くようになることもあります。そして、長期化すると、生活リズムの逆転や引きこもりなども出現します。

不登校に関する注意点

朝方の身体的うったえが多くなるようなときは、不登校の前ぶれと考え注意します。

学校での友人関係のトラブルやいじめ、学習状態など、不登校の要因となっているものが無いかを調べ、可能な限り取り除くようにします。これらの環境を調整するだけで、再び登校できるようになることもよくあります。

そして、登校は無理強いせずに本人を温かく受け入れて、自主性を尊重するようにします。また、専門家による心理療法や環境調整も必要になります。

一言に不登校といっても、その背景も原因も様々です。子どもにも「うつ状態」があって不登校になることもあります。一人ひとりの状態を小児科医やカウンセラーとともに考えるようにしてください。

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