アルツハイマー病は、脳の中の「大脳皮質」にある神経細胞が死んでしまうことが原因で起こる病気です。
人間は誰もが平等に年を取り、老化していきます。そして、その過程でもアルツハイマー病は発生します。しかし、大脳皮質にある神経細胞が死滅することで発生するアルツハイマー病は、病的な過程で進行的に神経細胞が犯されるという特徴があります。
アルツハイマー病の原因と症状
進行性で神経細胞がおかされてしまう原因としては、ベータアミロイドという物質が異常に増えてしまい、細胞が変性することが原因と考えられています。
また、神経細胞がおかされて「アセチルコリン」という化学物質の働きが低下し、記憶機能が低下するとも考えられています。
病状はゆっくりと始まり、そして徐々に進行していきます。症状の軽重も様々で、記憶の障害のみであったり、精神症状が合併症として現れる場合もあり、その形は様々です。
アルツハイマー病の診断と検査方法
検査では、頭部CT検査やMRI(磁気共鳴画像法)で脳の萎縮が見られ、局所脳血流検査で血流低下が出ます。
また、知的な機能の低下があるかどうかは、「改訂版 長谷川式簡易知能評価スケール」等、様々なテスト方法で調べることが可能となっています。
アルツハイマー病の治療方法は?
今現在神経細胞の死滅を停止させるような治療法は確立されていません。しかしながら、早期診断と治療、介護の工夫等によって、病状の進行を穏やかにして、本人や家族のストレスや負担を減らすことは可能です。
重要なことは、感情をなるべく安定した状態に保つことです。それには、異常な言動を指摘し、叱ったり責めたりせずに、本人の立場になって対応することが大切なのです。
また、家族が適度の休息をとる事も必要であり、重要なことです。関連施設によるデイケアやショートステイ等、社会資源を上手に利用して、家族の負担を減らす努力も行いましょう。
薬物療法で進行を遅らせることは可能
薬物療法では、精神症状がある場合に抗精神病薬などが適応となります。また、認知症に対する薬として「塩酸ドネペジル」があり、この薬の服用によって、症状の進行を遅らせることが可能となります。
これらの薬を上手に利用することで、家族や本人の負担も軽減できるという大きなメリットがあります。