脳器質性精神障害とは?

脳器質性精神障害とは、脳組織の器質的な異常が原因となって精神の働きに様々な障害が出てくるもので、主な症状としては認知症が知られています。他にも、幻覚や妄想、興奮などの症状もよく報告されています。

日本は世界の先進工業国の中でもかなりのスピードで高齢化しており、、それだけに認知症の疾患への取り組みが社会的関心を集めることとなっています。

この疾患は、大きく分けると「アルツハイマー病」と「脳血管性認知症」に分かれます。以前までは脳血管性認知症が多かったのですが、最近ではアルツハイマー病も増加傾向にあります。

一見すると、以下で解説している疾患はうつ病とは直接の関係が無いようにも見えますが、これらの疾患が影響して、うつ病に似た症状が出ることが多く、まったくの無関係であるとはいえません。

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脳器質性精神障害について

記憶障害

記憶障害では、いわゆる「物忘れ」が主な症状となります。

まず、記銘力(短期記憶)が障害されます。そのために、何らかの行動を行っている最中に他の行動を行うと、それまで行っていた前の行動を忘れるといった事態が発生します。

例えば、パソコンで資料を作成する作業をしていたのに、途中でかかってきた電話の相手に頼まれた依頼に気を取られて、元々の作業を忘れてしまったという場合です。

料理中、電話がかかってきたので電話に出たら、ガスを付けていたことを忘れるといった事態にもなってしまいます。

忘れ方の特徴として、まわりに指摘されても思い出せないという場合もあります。これは、体験そのものがそっくりと抜け落ち、忘れてしまっているということが挙げられます。

他にも、記憶障害の一型として健忘があります。これはある期間内のことや、ある種の事柄を思い出せない状態のことを指します。

詳細は記憶障害のページをご覧下さい。

失見当識

記憶障害と関連することとして、自分の居場所が分からなくなったり、時間が分からなくなったり、或いは自分がよく知っている周りの人が誰であるか、または何をする人なのかが分からなかったりと、今どの様な状況にいるのかが分からなくなることがあります。これを失見当識(あるいは当識の障害)といいます。

日常生活機能の低下

記憶障害や失見当識によって判断能力が低下してしまうのが、認知症の主だった症状です。その結果、日常生活における仕事、家事や対人関係等に支障をきたし、さらには着替えや食事、トイレなどの身の回りのことにも介助が必要となってしまいます。

精神状態と行動障害

脳器質性精神障害の影響化では、ちょっとしたことがきっかけで不安になったり、激しく落ち込んだりと、気分が不安定になりがちになります。

また、物を盗られるといった「妄想」が突然出たり、親戚や友人が来ているといった「幻覚」が出ることがあります。また、幻覚は夜間に出やすい傾向にあるようです。

行動面の問題としては、徘徊(はいかい:迷子になること)したり、色々なものを集めるといった行動が出ます。

しかし、これらの症状や行動を注意したり、批判したりすると、精神的な安定が崩れて、さらに不安になって認知面の障害(記憶障害や思考力の障害など)が進行するという悪循環に陥る可能性があるので、注意が必要です。

詳細は精神状態と行動障害のページをご覧下さい。

アルツハイマー病

アルツハイマー病は、脳の中の「大脳皮質」にある神経細胞が死んでしまうことが原因で起こる病気です。

人間は誰もが平等に年を取り、老化していきます。そして、その過程でもアルツハイマー病は発生します。しかし、大脳皮質にある神経細胞が死滅することで発生するアルツハイマー病は、病的な過程で進行的に神経細胞が犯されるという特徴があります。

詳細はアルツハイマー病のページをご覧下さい。

その他の認知症

以前であればアルツハイマー病と診断されていたものが、最近ではそこからさらにいくつかの病気として独立して診断されるようになってきました。代表的な者にレビー小体病や前頭側頭型認知症があります。

詳細はその他の認知症のページをご覧下さい。

脳血管性認知症

脳の血管は神経細胞の働きを支えており、大変重要な役割を担っています。しかし、その血管になんらかの障害が発生すると、認知症の症状が出てくることがあります。症状は、脳卒中の発作後に急に現れたり、小さな脳梗塞を繰り返すうちに、いつのまにか出てくることがあります。

詳細は脳血管性認知症のページをご覧下さい。

その他の脳器質性精神障害

先程まに紹介していた病気以外でも、認知症の症状というものは出てきます。しかし、認知症の疾患と違い、多くの病気では症状が治癒する可能性があることから、病気の性質としては全く違うものと解釈されています。

詳細はその他の脳器質性精神障害のページをご覧下さい。

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