この病気は、状況・人・動物・病気といった「特定の対象」を怖がってしまうものです。怖いと感じる恐怖感は、頭では不合理だと分かっているのに、自分でその感情をコントロールすることができません。
そして、あまりにも不安が強いために、「頭がおかしくなる」とか、「気が狂ってしまう」といった気分になることもあります。体に対する影響でも、「動機(どうき)」や「発汗」といったものから、ふるえや呼吸困難、体のあちこちが痛む等、様々な症状が現れます。
しかし、この様な症状が起こるのは特定の状況のみか、そのことについて頭の中で考えている場合のみで、それ以外は至って正常であり、普通に生活を送ることが可能です。
恐怖症(恐怖症性不安障害)の分類
恐れる対象から、恐怖症は、次のように分類されます。
社会恐怖
社会恐怖は対人恐怖と呼ばれることがあります。人前で話すなど、他人の注目を浴びたり、恥ずかしい思いをする行動を恐れてしまい、そのような状況を避けようとしてしまいます。
また、どうしても行動が必要となる場面に遭遇すると、強い不安感や苦痛を感じて、赤面や過呼吸、発汗、体の震え、動機等が現れます。
恥ずかしいと感じてしまう理由としては、自分の目つきや体つき、体臭、口臭等、自分の体の特徴等が一般的です。
広場恐怖
雑踏や慣れない場所(初めて訪れた場所等)、自宅から遠い場所などで恐怖を感じるのが広場恐怖です。
パニック発作(身体症状を伴う突発性の強い不安)が同時に起こる事が多く、発作を繰り返すうちに、そのような場所に出かけることを極度に恐れ、回避するようになります。
閉所恐怖や高所恐怖など
エレベーターや乗り物(車、電車など)、トンネル、高層ビルといった特定の場所で起こるものです。広場恐怖と同様の症状が現れます。
他にも、特定の動物を怖がったり、がんやエイズといった特定の疾患を怖がる疾病恐怖、雷恐怖、暗闇恐怖など、恐怖症には様々な種類が確認されています。