日本の新聞やTVといったマスメディアで度々目にする言葉、「過労死」。この言葉は、米国では「Karoshi」と表現されており、元々は「work oneself to death」と普通に翻訳されていました。
しかし、日本の状況が欧米でも報道されることが増えたため、そのまま「Karoshi」として翻訳されるようになりました。それだけ、日本人の働き方は欧米諸国の人々には到底理解できないということなのでしょう。
働き過ぎる日本人
先ほどの「Karoshi」を例にしても、欧米諸国から見た日本人は異質な存在に映っているようです。サービス残業や休日出勤は当たり前。さらには、台風や地震といった災害が起こったとしても、日本人は会社を休もうとはなかなかしません。
長期間の休みも、GWやお盆休み、正月休みくらい。しかも、日本人の中では「長期」の休みであっても、欧米諸国からみれば「なんて短いバカンスなんだ」と映るそうです。あちらは1ヵ月程まとまった休みを取ることが珍しくないため、そう感じてしまうのでしょうね。
この様に、海外からみれば「日本人は非常に働き者で礼儀正しく勤勉である」との評価を受けることが多いのですが、その実(じつ)は身を粉にして働き、体を壊して精神をすり減らしているわけです。
不景気が影響してリストラされる人もいれば、そのリストラの煽りを受けて会社に残された人間にも大きな負担が降りかかります。経済的な理由で自らの命を絶ってしまう人もいれば、働き過ぎによる過労死で命を落とす人もいる現在の在り方は、決して健全であるとはいえません。
しかし、日本人のこういった性質のお陰で、現在の日本があるわけです。失われた20年を経ても尚、世界で3位の経済規模を誇っているのには、それなりの理由があるのです。
全ての基本は健康であること
厳しい競争社会に生きている現在の日本人は、昔に比べて何倍も大きなストレスを抱えながら働いていると言われています。IT技術の発達により、経済が24時間絶え間なく回り続けていることが原因の一つでもあるわけですが、日常的に受け続けるストレスによって、体を壊してしまう人も年々増回しているといいます。
人間本来の姿は、自然を味わい趣味を楽しみ、仕事を創造的に発見して人生を積極的に楽しむ・・・というものです。しかし、常に動き続ける現代社会に流され、自分のための時間を確保することが難しくなっています。
「時間が無い」と口癖になっていませんか?常に「忙しい」と口に出していませんか?仕事に追われて余裕がなくなると、人生を楽しもうとする思考がどんどんと退化してしまいます。仕事に追われ、毎日時間を気にする生活を送っていては、どこかで体に歪が出てくることは目に見えています。
溜に溜まった歪は体を壊し、心を徐々に蝕んでいきます。そうなってしまえば、もう体は「健康」ではいられません。健康なくして人生を謳歌することはできません。何かしらの病気にかかって初めて「健康であることのありがたみ」が分かるといいますが、体に異常が無いうちは、健康のありがたみを実感することは難しいでしょう。
健康であることは、全ての面においてプラスの影響を与えます。健康であれば生き生きとした人生を送ることができます。充実した毎日を送るためにも、まずは「健康ありき」で考える思考を持つことは非常に重要なのです。