ある実験で、洞窟のように真っ暗な空間で、生活をしてもらうという実験が行なわれました。そして、その環境では、時計やラジオ、テレビといった、時間がわかってしまうようなものは一切ありません。辺りは真っ暗なので、現在が昼か夜かも分からないような環境です。
閉所恐怖症の人には想像に絶するような実験だなと思いますが、この実験で面白い結果が分かりました。それは、人間の「起きて、食べて、寝る」という1日の営みが「25時間」のリズムで繰り返されていることがわかったそうです。
1日は24時間 体内では25時間
誰もが知っている常識ですが、1日は24時間です。でも、体内では25時間のリズムが繰り返されています。ですから、私達は毎日、意識的に体内時計の針を、1日24時間のリズムに修正しなければなりません。眠くなったから寝る、目が覚めたから起きる、お腹が空いたから食べるといった生活を惰性的に行なっていると、1日24時間の生活のリズムから、どんどんとずれていくことになるからです。
「朝起きるのがつらい」というのは、誰もが経験したことがあると思います。これは、私達の体内時計と、太陽の運行による時計とに、「1時間」のズレがあるためにおこる現象です。体はまだもう少し寝たいのに、仕事があるので無理やり起きなければいけません。それが「つらい」のです。
寝つきが悪い夜というのは、毎日規則正しく快眠している人でもあるでしょう。でも、この「寝つきの悪い夜」も当たり前の事なのです。体内時計では「まだ寝る時間ではない」のに、無理やりにでも寝ようとしているわけですから、寝つきが悪くなって当然なのです。
しかし、そのような寝つきの悪い夜であっても、毎夜、同じ時間に睡眠に入れるように、生活上の工夫を行なう必要があります。そうでなければ、私達の生活は、1日24時間のリズムで運ばれていかないのです。