自閉症やアスペルガー症候群など「自閉症スペクトラム障害」と呼ばれる発達障害がある男性患者に、ホルモンの一種「オキシトシン」の点鼻薬を投与すると、一時的にコミュニケーション障害が改善したとする結果を、東京大の山末英典准教授(精神医学)らがまとめた。19日、米国医師会雑誌(精神医学)に発表した。【奥山智己】
山末准教授らは、知能指数が比較的高い20~40代の男性40人に、オキシトシン約0.048ミリグラムを鼻から1回だけ吸入してもらう臨床試験を実施。その結果、コミュニケーションに関する心理検査では、相手の言葉より表情や声色から相手の気持ちを推し量る傾向が見られた。他人とのコミュニケーションなどに関わる脳の部位が、投与前より活性化していることも画像で確かめた。
オキシトシンは子宮を収縮させる作用があり、日本では点滴で陣痛促進剤として承認され、海外では母乳の分泌を促す薬としても使われている。オキシトシンが脳に作用する仕組みは不明だが、山末准教授は「コミュニケーション障害の治療薬はないので、この研究結果を今後の治療法開発につなげたい」と話す。
出典:http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131220-00000061-mai-soci
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