不安や恐怖(神経症性障害やうつ病、統合失調症など)
何が原因なのかわからず、ただ漠然と心配になるのが「不安」であり、何が怖いのかわかっているのが「恐怖」です。この「不安」と「恐怖」は、私達の生活の中でよく生じる症状です。
代表的な例としては、以下のようなものがあります。
体の状態に関する不安
- 心臓がドキドキする
- 息がしにくい
- 死ぬのではないか?といった不安
- 何か重病にかかっているのではないか?
- がんではないか?
- エイズ(HIV)ではないか?
- 脳の血管が切れるのではないか?
- 体の中になにかがある
- 皮膚の感覚がおかしい
- 内臓が動いているように感じる
- 体がにおう気がする(体臭)
体の不安に関するほんの一例をざっと挙げてみました。これらの不安は、身内や友人、著名人が重病になったり、あるいは無くなったりした場合に自覚症状が強くなることもあります。
対人的な不安や恐怖感
対人的な不安や恐怖感では、不安障害や恐怖性障害、統合失調症などが当てはまります。人に会うのが怖い、人の目を見て話せない、人前で話すと赤面や発汗といった症状が現れ、言葉が出なくなったりする恐怖を感じます。
また、周りの人達が自分の悪口を言っているような気がしたり、自分に関する噂話をされているかもしれないという不安を感じ、自分を観察されているといった不安などがこれにあたります。
特定の状況やものに対する恐怖や不安
状況として最も有名なものに、「高所恐怖症」や「閉所恐怖症」などがあります。高い場所、狭い場所、広い場所、乗り物や遠出などが「状況」に関する恐怖や不安に該当します。
一方、「もの」に対する恐怖や不安としては、尖ったものや雷、雪、地震、動物などが代表的です。分かりやすい例としては、過去に犬にかまれたことによる「トラウマ」等です。
将来に対する不安
不安障害や統合失調症、そしてうつ病などがこれにあたります。
例としては、以前不安になった場所で同じ事が起こるのではないか?という「予期不安」や、病気が再発するのではないか?という不安や、将来ボケるのではないか?将来薄毛になるのではないか?といった不安などがあります。
抑うつ感情
うつ病、神経症性障害、統合失調症、接触障害等の抑うつ感情によって様々な症状が発生します。
代表的なものとしては、以下の様なものがあります。
- 気持ちが沈む
- 落ち込む
- 憂鬱になる
- 晴れ晴れとした気持ちにならない
- 虚しい
- さびしい
これらの状態は、まだ抑うつ感情の軽い症状にあたりますが、状態が酷くなってくると、以下の例で紹介するような重篤な精神状態となってしまい、時に最悪の事態を招く結果となってしまいます。
- 将来に希望が持てない
- 絶望的な気分になる
- 過去のことへの後悔にさいなまされる
- 自殺を考え、実行にうつしてしまう
高揚感情
躁病、脳器質性精神障害など。抑うつ感情とは間逆で、楽しくて仕方が無い、気分が爽快になる、なんでもできそうな気がする、といった状態です。この場合、本人に悩みの自覚が無く、周りが異常に気付くのが普通です。
感情の鈍間(のろま)・平板化(統合失調症)
喜怒哀楽の豊かな感情がなくなってしまう状態です。何を見ても聞いても、楽しいという感じがしなかったり、会話中の表情が乏しかったり、声に張りが無い状態です。
いらいら・怒りっぽい
この状態は、私達が日常的によく体験する状態でしょう。大体の場合は、原因が推量できるので、本人も周囲もあまり問題にはしません。一方、理由なくこの症状が起こる場合に限っては、病気によるものである可能性があります。
しかしながら、いらいらや怒りっぽいというだけでは病気とは言えません。他にどのような症状があるのかを確認することが重要なのです。