うつ病の予防を行なうためには、きちんと前兆を見分けることができる必要があります。
楽しかったことが楽しく感じられない
まずは、それまで行なうことの楽しかったことが行なっても楽しくなかったり、喜びを感じなくなったりします。そして、一般的にうれしいことが起こったり、喜ばしいことが起こったりした時にも、そのように感じなくなります。
常に気分が晴れないと感じる状態が継続してしまうため、憂うつな気分に支配されるようになります。さらに、週末のスポーツを趣味として習慣的に行なってきた人でも、それらを行なうことで爽快感を得ることもなく、かえって倦怠感や疲労感に襲われるといったケースもあります。
このような症状が2週間以上も続くようであれば、うつ病を疑った方がよいとされています。
私たちの身体や心は、調子の良い時もあれば悪い時もあります。そのため、気分の浮き沈みがあるのは自然なことですが、長くても数日程度で回復するようにできています。
もし気分の晴れない状態が1週間程度続くのであれば、うつ病の前兆と考えた方がいいかもしれません。
食欲が無くなる
うつ病の前兆として特に注意したいことの一つが、食欲です。人間の活動においては毎日摂取する栄養素がすべてのエネルギー源になります。そのため、食欲がなくなることによって各種の活動機能が低下してしまい、倦怠感や疲労感を受けやすくなっていきます。
食欲をうながす働きは脳の大切な機能の一つですので、脳の機能の低下であるうつ病と食欲の減退には深い関係があります。これまでと比べて食欲が減ってきたなと感じるようでしたら、うつ病の前兆かもしれません。
不眠症
また、不眠症もうつ病の前兆の一つです。十分な睡眠をとることによって、身体や心の疲労をとることができますが、不眠症になることによって日中の倦怠感などにつながります。
眠りに就くまでに30分以上かかってしまったり、夜中に何度も目を覚ましてしまったり、予定していた時間よりも早く起きてしまったり、起きた時に熟睡したと感じることができなくなったりするようであれば、うつ病の前兆としての不眠症を引き起こしている可能性があります。
データによると、不眠症にかかっている人とそうでない人とでは、3年以内にうつ病を引き起こすリスクは前者が後者の4倍とされています。
そうならないためには、まずは不眠症を治療することです。ぬるい温度のお風呂に長く入ることや、眠る4時間前にはカフェインの摂取を控えること、朝は太陽の光を浴びること、など日常生活の過ごし方を改善することが大切です。