最悪を覚悟することができるか?

人は誰でも、苦痛や苦労を極力無くして、楽観的に生きていきたいと考えているものです。その方が楽だし、ストレスや疲れをためこむことが無いからです。

しかしながら、当然そんなに上手くはいかないのが人生というもの。苦あれば楽ありという言葉通り、人生には常に「苦」がつきまといます。そして、その苦を意識するあまり、悲観的でネガティブな思考が頭の中を駆け巡り、うつうつとした気分で今日も学校や仕事に出かけることになるのです。

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そもそも楽観的な人とは?

ところで、楽観的と言われる人や思われる人には、どの様な特徴があるのでしょうか?一般的に言われているような楽観的な人とは、前向き(プラス思考)で、何事においても「大丈夫。なんとかなる」の精神で突き進んでいくような人のことを指しますね。

そして、物事をシンプルに、前向きに捉えることができる、あんな性格になりたいな・・・と憧れる人は多いでしょう。悩みも少なそうだとか、苦労もあまりしていないのだろうと、勝手な解釈が頭の中を駆け巡るわけです。

あなたが他人を「楽観的だな」と捉えるのは、それはあなたが物事を悲観的でマイナス方向にばかり考えしまっているからですが、楽観的な人には、大きく分けて二つのタイプが存在しています。

楽観的だが悲観的な人

悲観的な人は、マイナス思考が働くあまり、何かを決断するときや実行する際に、中々行動に移せないということが起こります。

だからこそ、何事も前向きに考え、行動に移すことができる楽観的・楽天的な人のことを羨むわけですが、実は楽観主義者の人であっても、悲観的な人以上に物事を悲観的に考えているのです。

何かを決断し、行動に移す際に、「もしかしたら上手くいかないかもしれない」と考えれば、普通は中々行動に移すことができません。自分のことを悲観的であると思っている人のほとんどは、この思考が頭をよぎるために行動を躊躇してしまうのです。

しかし、楽観的な人は、「上手くいかないかもしれないが、それはそれで仕方がない」と考え、行動に移します。そう思うことで、躊躇はすれど、行動に移すことができるわけです。

これは、最初から全ての物事が「うまくいく」とか、「なんとかなるだろう」と考えているような楽観性とは違います。「楽観的だが悲観的」なこのタイプの人は、実は非常に慎重なのです。

何かを行動に移す際には、いつも最悪の事態になることを想像し、考えているわけです。この考え方は、見る人によっては非常に「弱気」と捉えられることもあるでしょう。しかし、常に最悪の事態を考えておくことで、実際にその最悪の事態が起こった際に「覚悟」を決めることもできます。

「もしかしたらこんな結果になるのかもしれない。しかし、そうなっても仕方ない」と考えるのです。最初から「最悪」を予想することで、それが起こった時の心構えや対処の方法を、予め準備しておくことができます。

すなわち、これは「後悔しないための考え方」であり、「脳天気ではない楽観性」でもあるわけです。常に最悪を覚悟しつつ、考えられる限りの「マイナスポイント」と「それに対する対応策」を考えた後は、行動に移すだけなのです。

最悪を考えることはただ慎重なだけではない

この項目を説明する前に、まずは以下の文章に目を通してみてください。

楽観的に構想し、悲観的に計画し、楽観的に実行する

新製品開発、新技術開発など新しいことを進めて成功していくのは、まず構想を楽天的に描く人だろうと思います。

つまり、何としてもやり遂げたいという夢と希望をもって、超楽観的に目標設定をすることが、新しいことに取り組むにあたり、最も大切なことなのです。

自分で壁をつくってしまっては、夢みたいなことをやろうという気にはなりません。天は無限の可能性を与えているということを信じるのです。それには、「できるのだ」と繰り返し自らに言い聞かせ、自らを奮い立たせていかなければなりません。

もちろん、計画の段階では、悲観的に構想を見つめ直す必要があります。悲観的とは、どのくらい難しいのかを慎重に、小心に考え尽くすことです。

そして、この悲観的な要素に対する対策を練った上で、今度は楽観的に行動へ移るのです。実行段階でも悲観的に考えていたのでは、成功への果敢な行動などとれるはずがありません。

新しいことを始めるには、このように頭を切り換えていくか、さもなければ、それぞれの段階に見合った人を配することが必要です。

『心を高める、経営を伸ばす』より

http://www.kyocera.co.jp/inamori/management/philosophy/17.html

これは、京セラの創業者である稲盛和夫氏が、自身の経営哲学を「フィロソフィー(経験などによって得た人生哲学や人生観、処世観など)」としてまとめた中の一つです。

太字で目立たせた部分の中に、「悲観的に構想し計画する」とありますが、この部分が「最悪を覚悟できるか?」にあたる部分です。そして、それらを全て考えた後は、「楽観的に」計画に移すというわけです。

私達から見て、「楽観的に行動している」と見える人であっても、実は心の中でこれだけの準備をすでに行っているのです。そして、ただ単に悲観的な人というのは、先ほど紹介したフィロソフィーで言うところの「楽観的に実行する」ことが出来ない人のことなのです。

「常に最悪を想定して行動に移すことができるか?」

楽観的にも二つのタイプがあるといった理由が、まさにこの部分です。「最悪を考えた後に行動する」のか、「後先を考えずに行動する」のかで、結果はもちろんのこと、自身が受ける心へのダメージや疲れ具合も、まったく違うものとなるのです。

そして、あらゆる「最悪と対策」を考えに考えた結果、それでも上手くいかなかった場合は「仕方がない」と考えることができるようになります。手をつくした結果なのだから仕方がない・・・と。

もちろん、そこで得た失敗経験は次に活かし、また次の行動の際には「悲観的に計画して楽観的に実行する」のです。

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