他人とは異文化であるということ

他人から受ける親切は、普通であれば嬉しいものです。しかし、時に迷惑と感じてしまうこともあります。俗にいう「ありがた迷惑」という状況のことですが、親切にするにしても、相手の都合や事情も考慮しなければなりません。

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テレビをもらってありがた迷惑?

とある書籍で、この様な例え(実際にあった話)が紹介されていました。

日本で学ぶ留学生たちに対して行われたアンケートの中で、「日本人から受けた親切で迷惑と感じたものは何だったか?」という調査項目があります。その中で、留学生たちの答えの中の一つに「テレビを貰ったこと」とあったそうです。

なぜテレビを貰って迷惑に感じてしまったのか?それは、日本人と留学生の「文化の違い」に答えが隠されていました。

そのアンケートを行った留学生達は、主に東アジアから留学にきていたのですが、「テレビ」という高価なものをプレゼントされたことで、「むしろ自分が馬鹿にされている」ように感じてしまったというのです。

日本人の感覚からすれば、テレビが高価であるというイメージはあまり持っていません。テレビは今や、一家に一台どころか部屋(一人)に一台という時代です。スマートフォンでもワンセグによって気軽にテレビ放送を楽しめる時代なのです。

テレビが粗大ごみとして捨てられているような日本に生きている私達は、「テレビは高価なものである」という感覚も薄れており、東南アジアの人々との間に大きな意識のズレがあるわけです。

国によって文化はまったく違う

この書籍の中では、もう一つの例が紹介されていました。それは、とある留学生を食事会に招いた際のエピソードでした。

食事会に招かれば留学生は、もちろん喜びました。しかし、招かれて喜ばしいはずの留学生が、その後不機嫌になってしまったというのです。

留学生が不機嫌になった原因は、招いた人が曜日や日時、時間を指定したことにありました。その留学生の国では、「招く人よりも招かれた人の方が格上になる」という文化がありました。それなのに、時間や日時を指定されたことで、「自分の方がエライのに」と、ヘソを曲げてしまったのだそうです。

留学生からすれば「人を招待しておきながら、時間や日時を指定するなんてなんて失礼な」と感じてしまったというわけですね。

これは、日本人が持っている常識からすれば、まったく異質なものではあります。しかし、その留学生の国では、「それが当たり前」なのです。

他人=異文化と考える

このように、文化はその国々によって様々です。同様に、国や地域だけではなく、男と女、世代や年齢、育ってきた環境等、私達にも色々な違いによって文化が異なるという事実があります。

これらの要素を鑑(かんが)みるに、「他人とは異文化のこと」と言っても過言ではないのかもしれません。文化が違えば、考え方や常識も違ってきます。

その違いが時として、対立や軋轢(あつれき)を生んでしまいます。そうならないためにも、「他人は異文化」と考え、まずは相手のことを知ることからスタートすることで、円滑な人間関係を構築するきっかけとなってくれることでしょう。

良好な人間関係を築くためにまずは相手のことを知る

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