人は生きている限り、悩みというものがつきまといます。程度の差はありますが、「悩みなんて全くない」という人は居ないでしょう。少なくとも、私はそういった人には会ったことがありません。
- 誰も自分のことを分かってくれない
- 何事も自分の思い通りに運ばない
- あの人は全然ダメな人間だ
- 仕事が全然楽しくない
- 彼氏・彼女とうまくいかない・・・etc
数を上げればきりがありませんが、誰でもいくつかの悩みは抱えて生きているのです。しかし、心に不満がたまって健全ではない状態になってくると、徐々に考え方が偏り、ひねくれた捉え方をするようになってしまいます。
悩みのあるなしは気分に左右される?
例えば、何らかの「負」の現象に立ち会った際、機嫌が良いときであれば「まあまあ」と、寛容な心でもって許したり、流したりすることができるのですが、機嫌が悪いときであれば「何をしているんだ!」とか、「なんで自分の思い通りに動かないんだ・・・」となってしまいます。
もちろん上記の例は、非常にシンプルなたとえ話ではあるのですが、ここから見えてくることは、「何らかの出来事や他人の言動、行動等を見て、他の人にはなんでもない様なことであっても、自分は不満を感じてしまう」ということなのです。
この様に考えてしま原因の一つに、先にも例として挙げたような「その時々の機嫌」があります。しかし、さらに心の奥底に潜んでいる重要な問題として、「その人の思考のクセ」があると言われています。そして、この思考のクセによって、悩みの9割は解決できるといいます。
正しいか、正しくないかの判断は人それぞれ
何らかの出来事に対して、人は「正しいか、正しくないか」で判断しようとします。もちろん、「どちらでもない」という考え方もできますが、そのどちらでもないという考えであっても、「どちらかといえば正しい」とか、「どちらかといえば正しくない」といったように、真ん中よりもどちらか左右に考えは寄っているはずなのです。
そして、それらの「良い、悪い」の判断に対して、自分一人で勝手に腹を立ててしまったり、心に傷を負ったり、ストレスを感じたり・・・。こういった経験は誰もが一度は経験していることでしょう。
自分が抱えている悩み、特に小さな悩みを解決する方法として、この「◯か、×か」「正しいか、正しくないか」「良い、悪い」の思考パターンを理解することから始まります。
その後、自分の中で基準にしている「◯×」というものは、他人からみれば全くの逆である場合も多く、「自分の中だけの判断基準」でしかないわけです。この「他人との判断基準の違い」が、悩みの種となる問題を作り出してしまいます。
自分の価値観を否定してはいけない
人との関わりの中で、どうしても引けない・許せないという考え方は誰もが持っています。そういった考え方の違いが摩擦を生み、悩みとして心の中に蓄積されていくことになります。
「なぜあの人は自分のことを分かってくれないのか?」「自分の行いは正しいはずなのに、なぜ認めてくれないのか?」
蓄積した数々の悩みは、辛くて苦しいという感情となり、心の中をどんどんと圧迫していきます。そして、そういった経験を重ねるに従って、多くの人が「自分を守る」行動に出ます。「これ以上傷つきたくない」「辛い思いはしたくない」と思うようになるわけです。
すると、人との関わりの中で余計な摩擦や軋轢(あつれき)を生まないために、「自分の思ったことを口にだすのはやめよう」とか、「あの人の言うとおりにしておこう」、「わがままはやめよう」と考え、あらゆる事象に対して「◯か×か」「正しいか正しくないか」「良いか悪いか」で判断するようになり、自分の本当の気持ちを心の奥底に無理やりに沈めてしまうようになってしまいます。
この状態がさらに続くと、「自分らしく生きる」ための価値観に対しても、「他人と違うから」と考え、「正しくない」として、心の中でブレーキをかけるようになるのです。
こうなってしまっては、言いたいことも言えず、やりたいこともできず、抱えた悩みはどんどんと深刻化してしまいます。それが例え、最初は小さな悩みであったとしても、最終的には心の中を圧迫してしまうような「大きな悩み」へと成長してしまうのです。
心に余裕をもった判断基準を持つ
冒頭にも書きましたが、悩みは誰であっても抱えているものです。しかし、その悩みを乗り越え、「よし!頑張ろう!」と前向きに捉えることが出来る人や、悩みを後に引きずらない人は、先ほど説明した「心のブレーキ」が適度な人であるといえます。
良い意味での「判断基準の適当さ」を持ち合わせているとも言えるのですが、「正しい、正しくない」と極端な判断をするのではなく、もう少し心にゆとりを持って「どちらかといえば正しくないけど、そこは譲ろう」と、判断基準に余裕を持たせてあげることが重要なのです。
自分らしくあるために、心のブレーキはゆとりをもってかけるようにしてください。何事も全力では疲れてしまいます。当ブログでも度々説明していることですが、何事も「ほどほど」であることが、疲れも悩みも軽減するための秘訣であると、私は考えています。