高齢者であることによる環境の変化などによって高齢者うつ病になるケースがあります。原因としては、まずはパートナーや友人などと死別する機会が増えてくることがあります。
パートナーを失ったことがきっかけになることも
特に長い間一緒に生活を送ってきたパートナーを失うことによって、精神的な強い喪失感や日常生活を円滑に進行することができなくなるという物理的な変化に見舞われることで、脳に強いショックやストレスが与えられます。
これがきっかけとなって、高齢者のうつ病になるケースは少なくありません。
環境の変化による影響
また、定年退職によって長年勤め上げてきた仕事を辞めることや、それに伴って毎月の収入が大きく減ってしまうことなどの環境の変化によって、うつ病を発症する場合もあります。
高齢者特有の病気が原因となるもの
さらに、心臓病や甲状腺の病気、関節炎などの高齢者特有の症状がきっかけとなって不眠症となり、その状態が継続することでうつ病を引き起こすこともあります。
このように、ライフスタイルや身体的状況の大きな変化の訪れる高齢者に特有のきっかけはいくつかあります。
診断と治療について
高齢者うつ病の疑いがあるようでしたら、すぐに専門医の診断を受けましょう。高齢者のうつ病では記憶障害などさまざまな症状を合併して発症するケースもありますので、早期治療を受けることがとても大切です。
診察を受ける際にはパートナーや家族などの付き添いがあった方が好ましく、もし外出をすることが難しいようでしたら、往診してくれる医者を探すようにしましょう。
さらに、高齢者になると身体を積極的に動かす機会が減る傾向にあります。うつ病においては、適度に身体を動かすことが症状の改善に効果的に働きますので、少し調子の良い日に短い時間だけでも散歩をすることで、身体機能の維持と気分転換を行なうことができます。
コミュニケーション不足と高齢者うつの関係
パートナーや親しい友人と死別することでうつ病を発症した場合、日常的にコミュニケーションをとることのできる相手も失ってしまいます。うつ病の症状を改善するには、信頼できる相手と話をするなどのコミュニケーションがどうしても必要になってしまいます。
そんな時は、高齢者向けの交流会やデイサービス施設を利用するなどして、適度なコミュニケーションをとることのできる環境を用意するように心がけましょう。
食事をきちんととることもうつ病の治療や対策には重要です。高齢者になると食事の回数や量がどうしても減ってきてしまいますが、栄養素のバランスを考えたメニューを考えるようにすることで、食事の面からもうつ病の症状の改善を行うことができます。