統合失調症の心理社会的治療

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薬物療法によって陽性症状が改善しても、陰性症状が残っている場合はコミュニケーションが障害されたり、職業能力が低下したりします。このような機能の回復のために、様々な心理社会的な治療法が必要となってきます。

個人精神療法

治療者と患者が1対1で面接し、びょうきの原因を理解して認識を深めていく治療法です。

統合失調症では、精神分析のように自己を振り返るような洞察的な方法ではなく、支持的な方法を用います。まずは信頼関係の確立が何よりも大切で、これがなければ症状の評価や規則的な服薬も保証されないでしょう。

そして、症状ばかりではなく、日常的な悩みに対する相談も行います。この病気にかかってしまうと、自身を無くして迷ってしまったり、逆に周囲の忠告にあまり耳を傾けなくなったりします。

この様な状態になってしまうと、社会生活において様々な障害が発生し、円滑に生活を送れなくなってしまいます。そのような場合は、治療者は相手の意見を尊重しつつ、正しい結論に導くように粘り強く話し合っていきます。

生活技術訓練

生活技術訓練とは、対人関係の改善のための集団療法です。陰性症状が強い場合、自分の考えや意見、感情をうまく相手に伝えることができないケースが多々あります。そのために、ひきこもりの症状が強く出る可能性があります。

ひきこもりの症状が酷くなれば、社会適応が出来なくなったり、就職しても正しく挨拶が出来なかったり、上司や同僚とのつきあいを断り切れないといった状態になります。このような状態になってしまうと、ストレスが強く現れてしまい、病気の再発に繋がりやすくなってしまいます。

そのような行動改善のためにも、ロールプレイや宿題などの行動を通じて練習を行います。通常であれば数ヶ月を1クールとして、繰り返し練習を行っていきます。

職業リハビリテーション

職業生活で重視される集中力や規律性、持続性などを高めるための治療が職業リハビリテーションです。病院で行われる作業療法と、地域で行われる様々なプログラムとに分けられます。

作業療法は保険診療が適応されますので、作業療法士が担当します。地域でのプログラムは障害の程度に応じて使い分けます。

小規模な共同作業所では、簡単な仕事をしながら生活のリズムを整えていきます。通所型授産施設では、より生産的な作業に携わって就労の準備を行っていきます。福祉工場では「仕事はできるが対人面の障害がある」という人が利用します。

他にも職親制度(社会適応訓練事業)や障害者職業センターのプログラムなど、様々な職業リハビリテーション支援の施設がありますので、自分の症状の程度に併せた職業訓練を行うことが可能となっています。

家族教育

統合失調症を患った本人だけでなく、その家族に対するケアも忘れてはなりません。病気になった人をかかえた家族では、どうしてもケアのために時間を取られたり、病気を世間に知られたくないと感じてしまい、社会的に孤立しがちになります。

そのために、家族と病人が長い時間、顔をつきあわせて緊張関係に陥ることも少なく無いといわれています。

また、病人の親は、「病気を生み出したのは自分のせい」と罪悪感を抱いてしまい、保護的になりすぎたり、巻き込まれたりするケースが増えてしまいます。

このような家庭環境が患者の病状を悪化、あるいは再発させるような土壌になることも懸念されているのです。

家族教育セッションに参加して、病気について正しく認識し、同時に孤立感を解消することで、このような家族環境が変化し、再発を防止するような方向に変わります。

病院や保健所、精神保健福祉センターには家族教育を行っているところがあります。数回連続で講義やグループ討論(グループディスカッション)等を行っていますので、家族は積極的にこのような場所に出向き、再発防止と孤独感の解消に努めるべきです。

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