うつ病は他の病気とも関係しています。まずは生活習慣病でうつ病を合併する確率は、心筋梗塞が42~45%、脳卒中が27%、高血圧が19~33%、冠動脈疾患が16~23%、そして糖尿病は8.5~27.3%となっています。
心筋梗塞の人がうつ病を合併すると、うつ病を合併しなかった場合と比較して死亡率が5.7倍になるというデータがあり、より注意をしなければならなくなります。
脳卒中
脳卒中を患うと、身体の機能が制限されることにより、これまで行なえてきた行為がなかなか行なえなくなるということで強いストレスを感じることになります。
また、自宅で療養を行なったり家族や介護士さんなどからの介護を受けたりするなど、新たな人間関係を築いていかなければならないことでの精神的なストレスが蓄積されたりするため、それらのストレスによってうつ病を合併することになります。
高血圧
高血圧の人がうつ病を合併すると、うつ病による不眠症によって適切な睡眠をとることができなくなり、血圧がより不安定になってしまいます。心理的な焦燥感もあるため、精神的なストレスによって血圧が高めになるケースもあります。
また、これまで当たり前に行なえてきたことがなかなかできなくなりますので、降圧剤の定期的な服用を行なわなくなったりすることで症状を悪化させてしまいます。高血圧の患者でうつ病を合併している人は、そうでない人に比べて心不全を起こしやすくなる確率が2.5倍になります。
糖尿病
糖尿病においては、普段の食生活や運動療法など、日常生活のあらゆる場面での自己管理が必要となります。うつ病を合併してしまうことで、これらの自己管理を適切に行なうことができなくなり、糖尿病をさらに悪化させてしまうことにもなりかねません。
糖尿病の治療にあたっては、うつ病を併発しないようにこころがけることも大切です。
その他の疾患
これらの生活習慣病以外にも、うつ病の関係している他の病気には、がんがあります。数ある病気の中でも、がんは患者にとって宣告されることで強い心理的ショックを受けるものです。
また、治療に際しては身体的な負担が大きいことも少なくないため、精神的なストレスと身体的なストレスの両面からうつ病を引き起こすリスクが高くなってしまいます。
がんであることが診断されてからうつ病を発症する確率には、肺がんで19%、早期の乳がんでは30%というデータがあります。また、乳がんの再発の場合には35%と高く、がん患者におけるうつ病予防などの対策が課題ともなっています。