みんなが大好きなスナック菓子。小腹が空いた時に、夜食にと大活躍ですが、食品安全委の化学物質・汚染物質専門調査会から気になるニュースが発信されていましたので、紹介しておきます。
ポテトチップスなどに含まれる、化学物質のアクリルアミドのリスクを評価している内閣府食品安全委員会は3日、次世代にも影響が及ぶ「遺伝毒性をもつ発がん物質」との評価案を示した。アクリルアミドに対する国内での評価は初めて。今後、メーカーでの低減策が求められそうだ。
国内では初評価
アクリルアミドについて、海外では2000年代初頭から、さまざまな調査結果に基づき、発がん性が認識され、消費者に注意を呼びかけている。食品安全委の化学物質・汚染物質専門調査会は、海外の動きを受けて、11年12月から独自にリスクを検討していた。
調査会は、国内外の各種動物実験の結果から、アクリルアミドは遺伝子や染色体の構造に変化をもたらし、次世代にも影響しうる発がん物質、と評価した。
人に関するアクリルアミドの摂取量とがんの因果関係については、海外の疫学報告からは十分な証拠は得られなかった。国立環境研究所が中心となり、日本人のアクリルアミドの摂取量を調べ、どういう人の場合、リスクが高くなるかなどを推定し、最終的な評価書をまとめる方針。
農林水産省によると、アクリルアミドは炭水化物を多く含む原材料を120度以上の高温で揚げたり、焼いたりすると発生する。これまでの調査では多く含むものにジャガイモの加工品、ケーキ・ビスケット類、トースト、コーンスナック、コーヒーなどがある。
アクリルアミドは家庭内の調理でも発生するため、欧州食品安全機関(EFSA)は「揚げ物は揚げ過ぎず、トーストは焦がさず軽いキツネ色に焼く」など、発がん物質を減らす方法をホームページで公開、注意を呼びかけている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141004-00000007-mai-soci
以前からも、スナック菓子には様々な添加物が含まれているため、摂り過ぎてしまうと糖尿病や心臓疾患、うつ病等の心の病を発症する可能性が高まるのではないか?と言われてきました。
それらに関わる様々な研究データも発表されていますが、今回は発がん性物質と言われている「アクリルアミド」に関して、日本では初めてとなる評価が行われた模様です。
評価の結果は先ほど紹介した記事の通りなのですが、欧州では以前から問題視されていた物質でした。アクリルアミドの厄介な点は、市販のスナック菓子だから含まれているというわけではなく、例えば家庭料理においてもこの物質は発生してしまいます。じゃがいも等の「炭水化物」の多い食物を120度以上の高温で調理することで、アミノ酸の一種「アスパラギン」と「糖類」とが科学反応を起こして発生してしまいます。
要するに、焼いたり揚げたり、煎ったりする工程で発生する物質なので、「スナック菓子は健康によくなさそうだからまったく食べない」という人であっても、知らず知らずのうちに摂取している物質でもあるわけです。
まだこの物質が危険であると確定した訳ではありませんが、国際がん研究機関(IARC)によれば、アクリルアミドは「発がん性の分類で上から2番目のランク」である、「おそらく発がん性あり」に分類されています。「おそらく」ということで、まだ確証は得ていないということがわかりますが、個人的に受ける印象としては、これはもう「黒」なんだろうなと。
ちなみに、煮たり炊いたり、蒸したりする調理方法ではこの物質は発生しないとされていますので、普段から揚げ物や焼いて調理する食べ物の摂取が多いと感じる方は、日本人が昔から食べていたような「煮炊きする食べ物」の割合を増やしたほうが良いかもしれませんね。もちろん、スナック菓子を食べ過ぎていると感じている人も、節制を考えた方が良いでしょう。
私もスナック菓子は大好きなのですが、体を壊してからは極力食べないようにはしてきました。それでも、やっぱり小腹が空いてしまうとついつい口に運んでしまう。ちょっとした中毒的な何かがありますね。スナック菓子は。
アクリルアミド wikipediaより
融点は 84.5℃、常温では無臭白色結晶で、水、アルコール等に可溶である。熱や光に不安定であり、重合しやすいため、市販の試薬や工業薬品には安定剤(重合禁止剤)としてヒドロキノンやBHTなどが添加される。
アクリルアミドは毒物及び劇物取締法上の劇物に指定されており、神経毒性・肝毒性を有し、皮膚からも吸収されるため、取扱いには注意を必要とする。
変異原性(発癌性)が認められ、PRTR法の第一種指定物質となっている。
また、労働安全衛生法によって、純品及び0.1%以上を含有する混合物には、含有量や危険性を表示し、MSDSなどに危険性や対応方法を告知することが義務づけられている。