一時期、マスメディア等でも取り上げられた事がある「燃え尽き症候群」。Wikipediaにも項目が載っているほどメジャーな用語となってしまいましたが、最近では新卒や第2新卒等の、若い世代にこの「燃え尽き症候群」が顕著となっているようです。
特に、中学校、高校、大学と順調に進学し、勉強もしっかりと行なった真面目な学生に多いとされています。さらに、入学試験に合格した学生や、就職が決まった学生にも多く見られる症状です。
今回の例では、入社した若手社員に多い「燃え尽き症候群」について説明していきたいと思います。
理想と現実のギャップに苦しむ
入社したばかりの新人社員は、やる気も満々で、使命感に燃えています。期待に胸を膨らませる一方、不安も大きい事でしょう。そして、研修期間を終えて、実際の現場に入っていくと、理想と現実のギャップに驚きます。
教科書どおりに進めることが出来ない案件、突然舞い込んでくるトラブル、その上で、さらにのしかかってくる様々な案件と納期の短さや理不尽な要望等です。自分が考えていた使命感よりも、会社の利益が優先されるという現実にも疑問を感じる事でしょう。よかれと思って行なった作業が、まったく受け入れられないことも多々あります。そして、「こき使われているだけだ」と考えてしまい、徐々に心労を溜め込んでいきます。
このように、学生と社会人では、よく言われることではありますが、まったく環境が違います。それまで得た知識がまったく役にたたないこともあります。クライアントからの無理な要求にも、笑顔で当たり前のように振舞う必要もあります。そして、そのような「理想」としていた職場の「現実」に直面してしまい、せっかく入社した希望の会社から去っていくという結果になってしまうのです。
入社前は、希望と期待に胸を膨らませ、飛び込んだ会社で、文字通り「燃え尽きて」しまうのです。このような燃え尽き症候群により、退社まではいかずとも、心身共に疲れきった結果、長期療養を余儀なくされる若者もいます。
経験者に「よき相談者」になってもらう
このような「燃え尽き症候群」にならないためにも、先輩社員や上司にしっかりと相談することが重要です。なぜなら、先輩や上司も、過去に「理想と現実のギャップ」に苦しんでいたはずなのです。そういった経験者から得られるアドバイスというものは、直面している理想と現実のギャップを乗り越えていくための、様々なヒントが隠されているはずです。
相談する相手によっては、ストレートに問題解決に繋がる「答え」をくれるかもしれません。経験豊富な上司であれば、毎日の業務の中で、様々な経験を体感させてくれるでしょう。
「誰かに相談を聞いてもらえる」、ということ自体も、疲れを軽減させ、心労を和らげる効果があると言われていますので、「よき相談者」を見つけ、積極的に相談は行なっていこことが、燃え尽き症候群を防ぐ手段の一つとなるのです。