疲れを溜めない仕事の進め方の記事で「優先順位を決めて仕事に取り組む」という項目の中でも紹介した、「行き過ぎたながら作業」と、「効率的なながら作業」ついて、もう少し詳しく書いてみたいと思います。
効率的な「ながら作業」
疲れを溜めない仕事の進め方の記事中で、行き過ぎたながら作業は逆に効率を落としてしまうと紹介しましたが、主婦が行なっている「ながら作業」は本当に効率的で、無理の無い仕事ぶりに関心させられますが、主婦とは、「同時に3つの仕事をこなしてこそプロ」と言えるそうです。そこで、以下に主婦の代表的な「ながら作業」をいくつか例にとり、その実際を見ていきたいと思います。
- 電話をしながら拭き掃除を行い、料理の火加減を見る
- 洗濯をしながら宅配の伝票を書き、子供達のおやつを準備する
- 買物の帰りに、郵便局と銀行へ寄って、自宅の前の井戸端会議で情報収集
3つ目は少し遊び心を入れた例となりましたが、とても合理的な行動スタイルといえると思います。何か仕事を行なっている際に、無理なく並列行動が出来そうな仕事を瞬時に選択して、テキパキとこなしていく。「今やるべきこと」を判断し、「今できる事を後回しにしない」という行動スタイルは、時間の無駄無く、確実に仕事を進めることが可能となります。
そうすることによって空いた時間は、自分の時間に充てることができ、心にも余裕が生まれてきます。「横になってせんべいをかじりながら、テレビを見ている主婦」という、昔のドラマであったような主婦のイメージは、逆に言えば、「するべきことが終わっているので余った時間で休息をとっている」というわけですね。(実際にグータラしていたら主婦なんて務まらないでしょうね)
ながら作業は必ずしも万能ではない
この様な、効率的で合理的な「ながら作業」は、実際の現場でも是非とも見習いたい仕事の進め方だと思います。もちろん、行き過ぎたながら作業は逆に作業効率を落としてしまいます。
実際に、米スタンフォード大学の実験では、マルチタスク(複数作業)を多くこなす学生の作業効率が落ちるという実験結果を発表しています。同時並行的に行なう作業は3つまでに限定し、さらに関連性のある作業に絞ります。あれもこれもと、手を出さないことが、仕事にゆとりを作るコツではないでしょうか。
「ながら作業」が可能な仕事の選定
以下にながら作業で出来そうな仕事の一覧を箇条書きで紹介します。主に雑用系の仕事が多いのですが、この雑用を片付けないことには、メインの仕事に集中できないと思いますので、非常に重要な業務の一環だと思います。
- 礼状を書く
- 確認の電話を入れる
- コピーをとる
- メールを確認する
- スケジュールを確認する
- メモを確認する
- 報告・連絡する
- 用事は無いが上司や他の部署へ行って顔を見せておく
- 一言話しておく
- 手紙を出しておく
- 買物をする
- 銀行へ行く
- 身の回りの整理・整頓・掃除
- パソコンの中身の整理・整頓(データの最適化)
日々の業務の中から、ながら作業で進めることができる仕事をピックアップし、さらに関連性のある作業を同時にこなしていく事が日常化してくれば、仕事の効率は大幅に上昇します。そして、心にもゆとりができ、「疲労」も少なくなっていくことに繋がります。
メモを取るクセをつけておく
ながら作業が可能な仕事の選定は、頭の中に留めておくだけでは不完全です。人間は忘れる生き物なので、せっかく郵便局に行ったのに、あの手紙を出すのを忘れてしまった・・。とか、あいさつ回りに行った取引先に、新しく作ったパンフレットを持っていくのを忘れた・・。といったように、ついでにできた仕事を忘れてしまいます。
これは、日々の業務に追われて、やるべきことが多すぎて、頭の中が整理できていないので、こういったもの忘れをおこしてしまうのではないでしょうか。こういった失敗を無くすためには、「メモ」をしっかりと取る事をお勧めします。ToDoリストとも呼ばれていて、やらなければいけないことを書き出し、リスト化しておきます。そして、同時に行なうことができそうな作業をまとめておくのです。
このようにメモしておくことで、頭の中が整理され、ついでに行なうことができた作業を忘れることがなくなってきます。そして作ったメモは、自分の見える位置に常に置いておきましょう。作業リストを書いたはいいが、肝心のメモをどこにしまったか分からないでは、まったく意味がありません。
時間は無限ではありません。有限の時間をいかに上手に配分して使っていくことができるか。仕事が早くて「出来るヤツ」は、時間の使い方が上手な「ながら作業」の達人が多いのかもしれませんね。