ネガティブ思考の人ほど打たれ弱い

社会人の中には、20代後半や30代でも職場ですでに部下や後輩がいる方も多いでしょう。そして、最近ではそういった後輩や部下に対する接し方にも気をつけなければなりません。なぜなら、我慢が足りなくて繊細で打たれ弱い若手社員が増えているからです。

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ちょっとした事でも心が折れてしまう

これは非常に極端な例ですが、上司が部下に対して、何かの失敗に対して、少し厳しく怒ってしまったとします。すると、その怒られた社員が次の日から会社に来なくなってしまったのです。「まさか」と思われるかもしれませんが、これは実際の企業に起こっている問題なのです。

我慢が足りず、葛藤する場面に弱くて些細な失敗でくじけやすい・・・このような若手社員が何故増えているのでしょうか?要因としては、学生時代に上下関係に対する訓練が足らず、社会人となった際に、その上下関係に慣れることができないために起こると考えられています。

会社勤めでは当たり前の「上司と部下」の関係によるプレッシャーに耐え切れないというわけです。学生時代は横の関係が殆どで、友人達とはお互いに知った仲です。気軽に日々を過ごすことができますが、社会人となれば同じ生活を送ることは出来ません。

自分の部下に対して、少し厳しく言っただけなのに会社に来なくなってしまった・・・そうならないためにも、その部下が「打たれ弱いかどうか」を見極める必要があるのです。

部下が打たれ弱いかどうかを見分けるポイント

部下が打たれ弱いかどうかを見分けるポイントとして、以下の3点がまず挙げられます。

  • ネガティブ思考に陥りやすい人
  • 悲観的思考が強い人
  • 自分の思考や感情との距離感がうまく取れていない人

ネガティブ思考な人や、悲観的思考が強い人というのは要注意です。些細な事に対しても、重たく受け止めてしまい、大きなプレッシャーで心が折れてしまう可能性があります。

3つ目に関しては少し説明が必要になります。これは、「観察者の立場で自分の思考や感情を捉えられれば、それらに振り回されることはないが、一体化してしまうと些細なことなのに大げさな行動を起こしてしまう」ということです。

簡単に言えば、自分を「客観的に見れない」ということです。周りから見れば、「なんだそれくらいのミス」と思うものでも、本人からすれば「大変なことをしてしまった」と思うわけです。

打たれ弱い人の特長はまだあります。過去や未来の出来事が優位になってしまい、現在のことに集中できない人も打たれ弱いことがわかっています。過去の失敗や未来の不安に捉われ、少しのミスにも動揺してしまうということです。良い意味では慎重ととれますが、何事においても臆病になってしまう状態は、様々なマイナス要因を生み出してしまいます。

打たれ弱い部下との接し方は?

メンタルの面で弱い部下に対する接し方について、どうすればよいか分からないという上司も多いそうです。では、どのようにしてそういった部下と接していけばよいのでしょうか?

それは、まずは何事においても「誉める」ことです。いいところを見つけて褒めることで、相手の不安や緊張感を取り除いてあげることが必要不可欠なのです。そして、この誉め方にも二つのポイントが存在します。

  • 具体的に褒める。
  • 当たり前のことでも、きちんとこなしていることに関して褒める。

一つ目の「具体的に誉める」ですが、これは簡単です。どの仕事に対して、どういった内容が良かったのかを例にだして、具体的に誉めるのです。「あの企画書のこの部分がとてもよかった」とか、「この仕事のクライアントに対するあの気配りは良かった」といった具合です。

部下が行なった仕事のどの部分が評価される点だったのかということを、しっかりと明示した上で誉めるということが重要なのです。

二つ目は、当たり前のことでも、きちんとこなしていることに関してはしっかりと褒めることです。日々の業務の中で、誰でも当たり前にこなしている仕事であっても、しっかりと誉めてあげましょう。その部下が意識していない、当たり前にこなしている仕事を評価する事で、本人の自信につながるというわけです。

もちろん、人間誉めてばかりでは成長はしません。叱ることも当然必要です。しかし、この叱り方も重要です。その人の人格(人間性)を否定するような叱り方ではなく、事実をしっかりと伝えることが大切です。そして、同じ失敗を繰り返さないためにはどうすればいいのかを具体的に説明し、自分で考えて行動させることが必要なのです。

肯定的に叱る方法

部下を叱る方法も様々ですが、肯定的に叱って改善策を与えていく方法も効果的です。これは例えば、具体的に「~してほしい」といった形で、肯定的な依頼を交えつつ叱る方法です。

よく遅刻する部下に対して、「おまえはだらしない。社会人として失格だ!」と叱り付けてしまうのではなく、「遅刻は社会人としてよくないので、明日から10分だけ早く起きてみてはどうか?」と、達成しやすい具体的な改善目標を提示します。

社会人として、時間に対してルーズな姿勢は良くありませんが、それを怒鳴りつけたり、人間性を否定するような剣幕で叱り付けてしまうと、その若手社員の心に大きな歪を生んでしまう可能性もあるわけです。

マイナス思考も悪くない?

ここまでは、マイナス思考の人は打たれ弱いという点をクローズアップして紹介してきましたが、時にはネガティブであっても「それもよし」とする場合もあります。

時にはマイナス思考も悪くないの記事で詳しく紹介していますが、ネガティブを完全に排除してしまうと、心のバランスが崩れてしまう場合があります。何事もバランスが重要というわけです。

あなたの部下にネガティブさが目立つ新人がいる場合、時には「あのネガティブさも見習うべき点は多いな」と、逆転の発想をもって接するようにすれば、また違った視点で部下を見ることができるようになるかもしれません。

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