1943年に、アメリカのジョンズ・ホプキンス大学の児童精神科医であるレオ・カナーによって記述された症状。
その主要な症状は、
- 他人と接触しようとしないこと
- 現状を維持しようとする強迫的傾向をもつこと
- コミュニケ-ションの目的に言語を使用しようとしないこと
- 単純な身体運動を繰り返すこと
- 特殊な対象(例えば回転する物体や流れる水など)に異常な関心を示すこと
- 大きな音を出すのを恐れたりすること
などの特徴が認められる。
カナー自身は、この早期幼児自閉症を、児童分裂病(精神分裂病)の最年少の発現様式であると考えていたが、
- 児童分裂病は生後数年は正常でそれ以降に発病するが早期幼児自閉症は生後間もなく現れる
- 児童分裂病は生理的機能障害を伴うが早期幼児自閉症はその意味では健康である
- 児童分裂病の脳波は異常であるが早期幼児自閉症は必ずしも異常ではない
などの理由により、現在では、両者は一般的に区別されている。尚、最近ではこの早期幼児自閉症は、一般に自閉症とよばれることが多い。