心の病で体に現れる症状

心の病気や行動障害においては、殆どの場合、身体面にも症状が現れるといわれています。以下はその症状として現れる代表的な身体症状です。

睡眠障害

脳器質性精神障害、アルコール薬物関連障害、統合失調症、気分障害、神経症性障害、心身症、睡眠覚醒スケジュール障害、睡眠時髄伴症などで現れる、一般的にも広く認知されている身体症です。

睡眠時間は人それぞれで個人差があります。なので、どれくらいの睡眠時間が適切であるという一般的な判断は難しいといえます。しかし、いままでの睡眠時間と比べて、明らかな違いが出た場合は問題となる可能性があります。

不眠には、寝つきが悪い「就眠障害型」や、夜中に何度も目覚めてしまう「中途覚醒型」、朝早くに目が覚めてしまう「早朝覚醒型」、全体的に眠りが浅くて、しっかりと眠った気がしないとうい「熟眠障害型」に区別されます。

日中の眠気が強い場合を指します。仕事の能率低下、運転事故等、社会的にも一時期問題になっていました。原因としてはナルコレプシーや睡眠時無呼吸症候群などが挙げられます。

就寝時間や起床の時間が、通常の時間帯から大きくずれてしまう状態です。この状態では、昼夜逆転の生活になってしまったり、睡眠の時間帯が少しずつずれてしまいます。

睡眠中に足がむずむずしたり、ぴくっと動いたりして、不快に感じる症状を訴える人もいます。また、小児期に怖い夢を見たり、驚いたり、寝ぼけたり、夜尿（おねしょ）が見られたりといった状態がありますが、これらの症状も睡眠の異常に関係があるといわれています。

他にも、老齢期に大きな寝言や、寝ぼけて大きな行動（突然飛び起きたりする）に出たりすることがありますが、これも睡眠の状態と関係しています。

気分障害や統合失調症、摂食障害などで見られる症状です。食欲の低下や食欲の亢進（高ぶり進むこと）が見られます。

食べ物を食べたいと思っていても食べられなかったり、まったく食べたいという気持ちにならない、食べたとしても戻してしまう等、様々な形で食欲に関する影響が現れます。

食欲に異常がでた場合、精神的な面よりも先に、内科的な疾患を疑いがちですが、食欲に関する問題は精神疾患でも多く見られる症状なのです。

食事を取れない状態が続けば、体重の大きな減少といった症状がまず最初に見られます。

亢進とは、物事が高ぶり進んでいくという意味がありますが、食欲の亢進では「過食」に見られるような、食べすぎの状態が見られます。食べても食べても満足できず、食べるのをやめたくてもとまらないという状態が、食欲の亢進です。

食欲の低下と同じく、原因としてまず疑われるのは内科疾患ですが、精神疾患でも多く見られる症状であることから、両面の可能性を疑う必要があります。

食欲の亢進状態では、通常であれば体重の増加が伴います。しかし、食べてもすぐに嘔吐するというタイプの過食であれば、体重の増加が見られない場合もあります。

うつ病や神経症性障害などでは、上記で説明してきた症状以外にも、以下の身体症状が確認される場合もあります。