心の病気とは?原因とその症状

人間のこころ(心・精神)には様々な働きがあります。思考や感情、意欲等、普段の私達はまったく意識していませんが、これらの個々の要素が上手に連携をとりながら働いているのです。

この連携のバランスが取れている例をひとつ挙げます。

「朝ご飯を食べてさあ出勤!しかし、今日は〇〇の会社にて大切な商談の話がある。絶対に成功させたいが不安もある・・・」と考える一方で、「商談が決まれば大きな売上げに繋がる。よし、がんばろう!」と意欲も出てきます。

このバランスが崩れたり、または崩れかけた状態が心の病気といえます。

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精神の働きの故障

心の病に陥ってしまうと、精神の働きのどこかに故障(エラー)が出てきます。そして、一つの働きの故障は、他の様々な働きにも影響を与えることとなります。

一つの例を説明します。その一つとして、「脅迫症状」という状態を考えてみます。

これは、「外出した際に、家の戸締りをしっかりと行ってきたかが気になって仕方が無い。何回確認を行っても安心できない」という状態です。1つのことが気になって仕方が無い状況ですね。

この場合であれば、同じ事(戸締りをしたかどうか)を何度も考えてしまい、そしてその感情をコントロールすることが出来ません。これを「思考のレベルの異常」と呼びます。

そして、同時に考えを打ち消して無理に確認をしないでいると不安でいたたまれなくなってきます。「感情のレベルの異常」がこれです。

そして、症状が進行してくると、見直し行動の時間がどんどんと長くなっていき、日常生活への意欲が減少してきます。この状態を「意欲のレベル異常」と呼びます。

この様に、心の病気では、通常色々なレベルで障害が起こってきます。なぜなら、本来精神の働きは有機的に繋がっているからです。

本人の悩みと周囲の認識のズレ

心の病気では、本人が一人で考え込んでしまい、精神の袋小路で迷ってしまうことが多々あります。そして、病気の症状が進行し、行動面に出てくるまでの間、長い時間がかかっていることが多く、その間は本人は誰にも相談できずに、また、相談をしない(する必要が無いと考えている)ということが多いのです。

「精神の働きの故障」の項目でも書いたように、脅迫症状の例で言えば、「こんなつまらないことが気になって馬鹿馬鹿しいが、無理に考えるのをやめようとする、不安になる。自分をコントロールできない駄目な人間だ」、などといった内容です。

この様に悩んでしまうのは、症状の一方で健康な自分がいるからに他なりません。健康な自分が病気の症状について考え、感じるから「悩む」のです。これは胃潰瘍(いかいよう)の患者が胃が痛むと感じるのと同じ事なのです。

しかし、精神の働きに強い障害が発生すると、自分は病気ではないと考えるようになり、周囲にも自分は大丈夫、正常だ。病気では無いと伝えるようになります。

もちろん、そうは言っても悩む自分がいなくなるわけではありませんので、そのような健康な自我を強くしていくことが、心の病気を治療していく上で大切なことなのです。

心の調和が崩れかけていても、必ずしも周囲がそれと気付くわけではありません。なぜなら、本人が一人で悩んでいるという状態であれば、体が悪いわけではないので周りは気付いてはくれません。

しかし、症状が悪化し、行動面に変化が出てくると、とたんに周囲は気付き始めます。

先程例に挙げた脅迫症状の例で言えば、本人が気にするだけであったり、見直しの行動が1回や2回であれば特に異常とは思われないでしょう。若干神経質なのかな?程度で終わるはずです。

しかし、その回数が5回、10回と見直しを行う時間が増えるに従って、その確認の時間が原因で学校や会社に遅刻したり、普段の生活の中で必要な確認行動が取れなくなったりすると、誰もが問題視します。

この様に、行動面の異常が出て初めて、周囲が病気と認識することが多いのが、心の病の特徴なのです。

体の病気と心の問題

どの様な体の疾患であっても、心への影響は避けては通れません。ちょっとした風邪であっても、「もう治らないかもしれない」と不安になることがあるでしょう。

病気の症状が「がん」等の重病となってくれば、その不安の大きさは想像に難くありません。この様な重病ともなれば、精神機能にかなりの影響が出てくるのが普通といえますし、場合によっては専門的な治療が必要になることもあります。

また、「病は気から」と言われるように、体の症状は精神的な影響を強く受けることがあります。

例えば、内科等で診察を受けた際、「患者は明らかな体調の不調を訴えているにも関わらず、体のどこにも異常が見つからない」という人が増えています。これは、心の状態がいかに体の異常となって現れるかを表している例ではないでしょうか。

心と体には、私達が考えている以上に密接な関係があるのです。

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