誇張や見栄やハッタリは自尊心(プライド)を守るためにも必要

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やたらと自己を誇張し、見栄を張り、時には嘘ともとれるようなハッタリ(大げさな言動をしたり強気な態度をとったりすること)を言う人がいます。多かれ少なかれ、人は他人に対して自分を少しでもよく見せようとするものですが、それも度をこしてしまえば人間関係に”ヒビ”が入ってしまいます。

しかし、人は他人よりも何かが優れているという「ステータス」が無ければ、この社会を生き抜いていくことが苦しくなってしまう生き物でもあります。

なぜ見栄を張ったり誇張したがるのか?

これは、「競争意識」や「社会欲」を求めることが人をそうさせてしまうと考えられますが、最もシンプルな理由としては、「自尊心」を守る(あるいは低下させない)ためではないでしょうか。

自尊心とは、「自分の人格を大切にする気持ち」や、「自分の思想や言動などに自信をもち、他からの干渉を排除する態度」のことです。「プライド」といった方がしっくりくるかもしれませんね。

例えば、ボーリングやゴルフの席で、相手よりも少しスコアが低かったとします。しかし、相手との雑談の中で、「自分のベストスコアは~点だ」と、張り合ってしまうことがあります。または、ありもしないスコアをつい口走ってしまったり・・・。

この様に、相手のスコアに対して、「自分はさらに上のスコアを出したことがある」と言い、自分の「プライド(自尊心)」を守ろうとします。しかし、相手にとってそれは面白くありません。そこでさらに「自分もベストスコアは何点だ・・・」といった様に、お互いにプライドを守るために「見栄と誇張の応酬」が開始されるわけです。

こうなってしまっては、せっかくの楽しい場がしらけてしまったり、当人同士の関係がギクシャクしてしまう可能性も0ではありません。

自尊心を守ることは悪いことではない

この様な点数が高いか低いかの会話は、当人以外の関係のない人から見れば、「なんともバカバカしい」と感じ、とても滑稽に映ることでしょう。

見栄も誇張も、実際にその形が人々の目に見えるものでなければ、他人にとっては特に意味を成しません。しかし、冒頭でも触れたように、人は他人よりも優れた何かを持っていなければ、とたんに気持ちが苦しくなってしまいます。裏を返せば「人よりも劣っている」という考え、すなわち「劣等感」を感じることに、ストレスを感じてしまうのです。

そして、そういった劣等感から自分の心を守るために、時には見えを張り、時には自分を大きく見せるために誇張表現を用いて相手よりも優位に立とうとします。

でも、それでいいのです。自尊心を守る行いは、様々なストレスから自分の身を守るための、一種の防衛本能のようなものです。見栄も誇張もせず、一方的に自尊心を傷つけられたままという状態は、まさにノーガードで打ちのめされていることに等しいと言えます。

自尊心が欠如することでうつ病のリスクが高まる?

自尊心(プライド)が欠如することで、うつ病に罹患(りかん)するリスクが高まるという研究結果もあります。

これは、うつ病を患っている患者の多くに、自尊心が欠如していると思われる症例が多く、実際に欧米ではうつ病の治療の中に、カウンセリングとして「患者の自尊心の回復」を組み込むことがあるそうです。

この事実が示すこと。それは、私達が人よりも優位に立とうとする行動、要するに「プライドを守る」行為も、意味が無いわけではないということです。

自尊心が高いということは、自分自身を肯定しているということです。しかし、自尊心が低い人は自分を否定し、自分は何をやってもダメな人間であると決めつけてしまう傾向にあります。

自分自身を正しく客観的に見れる人ほど、自分に対する期待値が下がり、抑うつ的な気分になってしまうと言われています。そして、うつ病を患っている人達の多くは、一般の人よりも自分を客観的に、的確に把握しているという調査もあるそうです。

何事もバランスが重要

自分を客観的に見るという能力は、誰もが持っているわけではありません。この能力が低すぎれば、プライドの非常に高い高慢な態度が鼻につく「嫌なやつ」となってしまいます。

反対に、高すぎてしまうと自分の欠点ばかりが見えてしまい、自分に自身が持てずに内向的になってしまいます。例にもれず、自分を客観的に見れる人は、他人と争うような事はせず、張り合ったり意地を通すようなこともしません。

しかし、本心としては言いたいことの一つや二つはあるはずです。言いたいことをグっと我慢することで、相手の欲求を満たすことはできるでしょう。でも、自分自身の自尊心は傷つくばかりです。

「自分を必要以上に良く見せることは恥だ」と考えるのではなく、「自尊心を守る」ために、そして「自分自身の心を守る」ためにも、見栄や誇張、はったりも時には重要な要素なのです。

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