メンタルヘルス(心の健康管理)で陥りやすい5つの誤解とは?

この記事の所要時間: 632

人は生きている限りは、常にストレスと向き合っていかなければなりません。そして、このストレスに最も晒されているのがビジネスマンではないでしょうか。

サラリーマンの8割はうつ予備軍?のページでも紹介しましたが、日本国内でうつ病を患っている患者数は、1999年に44万人であった数字が、2011年には95万人と「倍増」しています。

特に、働き盛りの40代の男性に発症が多いと言われています。日本の経済を動かしている「ビジネスマン」が心の病を患ってしまい、仕事に支障が出たり、症状が重くなって休職、または退職せざるを得なくなってしまう人が増えているのです。

そういった事態に陥らないためにも、「メンタルヘルス(心の健康管理)」の概念が重要とされていますが、謝った認識が広く普及してしまっている現状もあります。

以下では、その誤った認識として特に重要とされる5つの項目を紹介していきます。

心の病になるのは弱い人間だから?

うつ病をはじめとした心の病の苦しみは本人にしかわかりません。そういった苦しみを知らない人の中には、「うつ病になるのは心が弱いから」といった間違った考えを持っている人は少なくありません。

この考えは完全に誤りで、反対に「心が強い」と思っている人程、うつ病になってしまうケースもあるのです。

心の病にかかってしまう人の特徴として多いのが、真面目で頑張りすぎる性格の人です(真面目すぎる性格も要注意!几帳面で真面目な人は疲れやすい)。

真面目で頑張り屋さんといえば、周りからの評価も高く、頼られることも多いでしょう。しかし、頑張りすぎたり真面目すぎる場合、その性格が仇となり、過度なストレスや余計な心労を抱えてしまうこととなります。その結果、心身ともに疲れ果ててしまうのです。

心をどれだけ鍛えたとしても、ストレスをまったく感じないようなタフネスぶりを手に入れることはできません。頑張り「過ぎる」のは、体力だけでなく精神力をも奪っていきますので、適度に力を抜いて、ストレスの軽減や発散を考えなければなりません。

この様な理由からも、頑張りすぎる人の方が心にトラブルを抱えやすいということがわかります。心が弱いからうつ病になる、という先入観は捨てなければなりません。

疲れたら週末にゆっくりと休みを取るほうが良い?

疲れたら休む。これは当たり前の考えです。疲れた体には休息は絶対に必要ですし、一週間のサイクルで考えれば、週末はしっかりと休むのが常識とされています。

しかし、心に元気が無い場合であれば、ただ単に「ゆっくりと休む」だけでは逆効果の場合もあります。

「疲れを取るための休息が逆効果になるのはおかしい」と思われるかもしれませんが、逆効果となるのは「休息の取り方」に問題がある場合です。

例えば、「休みの土日はずっと家に篭って寝ている」といった場合ですが、こういった休日の過ごし方では、生活リズムが崩れてしまい、月曜日に仕事に行くことがつらくなってしまいます。

実際に、心療内科にやってくる患者さんの中には、月曜日や火曜日に調子を崩してしまう人が多いといわれているのです。

こういった「間違った休日の過ごし方」にならないためにも、休日だからこそ、自分の趣味や好きなスポーツに時間を割き、普段と変わらない時間に起きて、いつもと同じ時間に就寝するという生活のリズムを守るようにしてください。

運動し、美味しいものを食べ、趣味の時間を楽しんで「自分のためだけに時間を使う」ことを意識して、その週にたまったストレスを解消することが、「心の健康管理」において大切な事なのです。

この様な休日の過ごし方を「アクティブレスト(積極的休養)」と呼びますが、休日も平日と変わらないリズムで過ごすことで、月曜日に体調が崩れるといったことも防ぐことが可能となるはずです。

>>土日祝日の「寝溜め」は逆に疲れる要因になる

身体を休めれば心も元気になる?

疲れには大きく分けて2種類の疲れがあります。一つは「肉体的な疲れ」で、もう一つは「精神的な疲れ」です。そして、現代のビジネスマンの多くが感じている疲れが、後者の「精神的な疲れ」なのです。

特に体力を必要とする仕事に従事しているのならば、体力を休めるためにしっかりとした休息は必要不可欠です。しかし、人間関係の悩みや仕事上の問題(トラブル)は、精神的に疲れてしまうことが殆どです。

この様な精神的な疲れが蓄積してくると、休日に家でゆっくりと休んでしまうと、かえってそれらの問題について色々と考え込んでしまいます。この様な状態では、かえって悩みが深刻化してしまい、心の病を患ってしまう可能性も高くなってしまいます。

先ほどの項目でも少し触れましたが、精神的な疲れを癒すには、休日であっても積極的に体を動かす「アクティブレスト」が有効とされています。

ちょっとしたジョギングや運動によって汗を流すことで、思い悩んでいた問題点に関する解決策が出てきたり、抱えていた悩みが小さなものであったと気分転換を図ることもできます。

休みは自宅でごろごろ・・・では、精神的な疲れは取れません。忙しい日々の中であっても、体を動かすような運動習慣を身につけておくことは、メンタルヘルスを実践する上でもとても重要なポイントなのです。

部下の悩みを聞くには飲みニケーションがいい?

部下との意思疎通を図る方法として、飲みニケーションを実践している上司の方も多いと思います。もちろん、親睦を深めるためには有効な手段となりますが、心に問題を抱えている人に対しては、このコミュニケーション方法はNGとなる可能性があります。

心の病に苦しんでいる人は、風邪によって高熱で苦しんでいるのと同じような状態です。その日の仕事をこなすだけでも精一杯の状態なのです。そのような状態で、「悩みを聞いてあげたい」と気をつかった上司からの飲みの誘いは、大きな負担となってしまいます。

悩みの程度が小さなものであればまだしも、部下や後輩の状態が深刻な場合であれば、飲みニケーションは逆効果となる可能性が高いのです。よって、部下の悩みを聞くならば、勤務時間内を原則とするべきです。

お酒の席であれば、打ち明け難かった悩みを話してくれる可能性は高まるかもしれません。しかし、お酒の力を借りて悩みを話したた部下は、後から「言わなければよかった」と後悔してしまう場合が多く、また、「無理やり言わされた」と感じてしまう人も少なくありません。

相談を受ける上司や先輩にしても、お酒が入っていることからついつい説教じみたアドバイスを送ってしまい、メンタルに問題を抱えた人の状態をさらに悪化させる原因となる可能性もあるのです。

この様な理由もあり、お酒の場での悩み相談はできるだけ控えるようにして、業務時間内で心に問題をかかえていそうな部下や後輩の話を聞くようにしてください。

メンタルに問題を抱えた人に「頑張れ」は禁句なのか?

「精神的につらそうな人に『頑張って』と言ってはいけない」という話を聞いたことがあると思います。しかし、この考えは必ずしもそうではありません。

「心の病になるのは弱い人間だから?」の項目でも紹介したように、問題なのは「頑張る」ことではなく、「頑張り過ぎる」ことです。「頑張りすぎないように頑張って」と声をかけることは、決して悪いことではありません。

それに、人によっては「頑張らなくてもいいよ」と言われると、まるで自分の存在を否定されたような感じを受けてしまいます。

もちろん、心の病を抱えている人にとって無理難題を含んだハードルの高いチャレンジをさせてはいけません。しかし、「無理をしないように、頑張れる範囲で頑張って」と声をかけるのは、決して悪いことではありません。

「適度に適当に、肩の力を抜いて頑張ろう」とアドバイスを送る程度であれば問題は無いと考えられます。

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