神経症性障害・ストレス関連障害・身体表現性障害の治療

この記事の所要時間: 318

神経症性障害やストレス関連障害、身体表現性障害の治療は、表に出ている症状を取り去ることを目的とする「対処療法」と、症状が現れる心の仕組みを改善して根本的に治療することを目標にする場合があります。

前者の場合は薬物療法が用いられ、後者の場合は精神療法が用いられます。

薬物療法

薬物療法はベンゾジアゼピン誘導体の抗不安薬が主体になります。この薬によって不安や緊張が軽減され、症状へのこだわりが少なくなっていきます。

そして、心に余裕ができることで日常生活への転化が可能となり、自分に自身が持てるようになっていきます。

副作用としては眠気や脱力感、ふらつきなどに注意する必要があります。特に高齢者では転倒などに注意する必要があります。

抗不安薬の問題点は、習慣性と依存です。この薬は他の向精神薬と比べて効果が早く出てくるので、効き目がよく自覚できます。そのために薬に頼ってしまう状態になってしまうのです。

また、多くの量を服用すると、同じ効果を出すために薬の量を増やさなければならないといった事態になることもあります。この状態を「耐性」といい、向精神薬に限らず、あらゆる薬にはこの耐性があると言われています。

しかし、治療薬の用量を守っている限りは、耐性に対して神経質になる必要はありません。いたずらに耐性について恐れることは、治療にとってマイナスとなる可能性がありますので、心配な場合は主治医にしっかりと相談を行うようにしてください。

尚、病気の種類によっては、抗うつ薬や抗精神病薬が使用される場合があります。パニック障害や強迫性障害では、選択的セロトニン再取り込み阻害薬や三環系抗うつ薬がよく用いられます。その他、うつ状態が加わってきた場合には抗うつ薬が使われます。

精神療法

治療者と患者(クライアント)の間で交わされる言語的・非言語的交流によって、精神的な苦悩の原因を探って解消を目指す治療法を、精神療法と呼びます。

精神療法の種類は非常に多く、その内容も複雑ですので、この場では主な種類と簡単な説明により、どのようなものかといった視点で紹介していきます。

支持療法

現在もっている心理的な苦悩を共感的に受けとめてもらうことを基本とした療法です。受容とともに、病気に対する取り組みに対して支持や励ましを受けることで、快方に向かいます。

表現療法

表現療法では悩みや鬱積(うっせき)した不満、怒りなどを言葉で表現し、表に吐き出すことで心の緊張を解くことが可能です。これを「カタルシス」と呼んでいます。

言語的に表現が難しい場合は、絵画療法や箱庭療法(砂を敷き詰めた箱に小さなオブジェを置いていく)などがあります。

洞察療法

病気の原因について認識を深めることができる治療法です。以前体験した出来事や人間関係と、自分の性格などとの関係を考察し、何故いろいろな症状が出るようになったのかを理解することで、病気を克服して新たな生活へと歩んでいくことを目指します。

精神分析療法

自由連想法などを用いて、無意識の世界に抑圧されていた葛藤を意識化することで治療に導く療法です。

来談者中心療法(カウンセリング)

治療者に語り続ける中で、洞察が得られるように導かれる治療法です。

訓練療法

診察室での言語的なやりとりとともに、様々な行動をとりながら治療を進めていく方法です。

森田療法

症状をあるがままに受け入れることを目指した療法です。症状があっても作業を行い、実生活の中での用事をすませるといった行動が求められます。

内観療法

過去のありかたへの反省を通じ、苦痛からの快方を目指す療法です。

自律訓練法

筋肉の弛緩などを行えるように訓練し、不安に対処していく治療法です。

行動療法

学習理論に基づき、異常な行動を治していくことを目的とした治療法です。徐々に刺激を強くして不安に慣れる「系統的脱感作療法」や、好ましい行動が得られたときに報酬を得る「オペラント条件づけ」といった方法があります。

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