解離性障害と転換性障害

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解離とは「解き離す」という意味で、心が本来あるべきところから離れてしまった状態をいいます。具体的には、自分のした行いをまったく覚えていなかったり、自分の意志に関係なく蒸発してしまったりといった状態です。

人間は耐え難い苦痛を体験すると、精神は自己防衛のために本来の意識を切り離すために、この様な症状が現れると考えられています。

一方、転化とは無意識の葛藤(解決することが出来ない心の悩み)から生まれる不安があるとき、体に症状が生じることによって不安から逃れられる状態をいいます。

解離と転換は同時に出現することも多く、以前はヒステリー症状として一括にされていました。しかし、この病名は次第に使用されなくなっています。

解離性健忘

自分に対する記憶やつらい事件に対する記憶などが失われてしまう状態です。部分的に記憶が失われる「部分健忘」と、その間の出来事が全て失われる「全健忘」とがあります。

また、自分の経歴に関する記憶が全て無くなってしまう場合を、「全生活史健忘」といいます。

解離性遁走(フーグ)

自宅や職場から一定の間失踪(しっそう)して、その間は自分の名前やそれまで送っていた生活を忘れてしまい、別人になって生活する状態を解離性遁走といいます。

記憶が無くなるといっても、日常生活を送る上で必要とされる情報は完全に残っているため、通常の生活を送る分には影響が無いという特徴があります。

朦朧(もうろう)状態

健忘や遁走では、一見すれば普通に行動しているため、周りからは異常であるとの認識が難しいのですが、朦朧状態では意識がおぼつかず、周りからの呼びかけにも反応できない状態となりますので、異常であるとすぐにわかります。

また、恍惚としていたり、何かにとりつかれたかのような状態になることもあります。

解離性同一性障害

二つの別個の人格が交代して現れる状態が「二重人格」で、3つ以上の人格が現れる場合が「多重人格」となります。

二重人格という名称は、一般的にも認知度が高いので、この名称を聞いたことがあるという方は多いでしょう。診断名としては「解離性同一性障害」が用いられます。

この障害の特徴として、現れるそれぞれの人格には独自の名前であったり、記憶や行動様式、性格を持っており、なんらかの刺激に応じて突然交代するという特徴があります。

また、Aという人格とBという人格には相互の交流は無く、自分自身がいったい何人の人格を持っているかは分かりません。

多重人格は幼少時期に受けた虐待などの外傷体験に対する心の防衛から形成されると考えられています。そのような過酷な体験を直接的に苦しむのではなく、あれは自分とは別の人間が苦しんでいるとして、別の人格が登場するというわけです。

多重人格者として有名な人物に、ビリー・ミリガンがいます。本来知るはずの無い言語を操ったり、女性の人格や地方の独特な鈍りで話すなど、医学的に説明できない事例が多く発生したため、当時の検事官や弁護士、精神医学者には演技ではないと信じられたという記録が残っています。

その他

手足が麻痺する「矢立、失歩」、声が出なくなる「失声」などの症状が出る「解離性運動障害」、てんかん発作に良く似た症状が現れる「解離性けいれん」、目が見えなくなる、聞こえなくなる、においが無くなる、皮膚感覚が無くなるといった症状が出る「解離性知覚まひ、知覚脱失」などがあります。

これらの症状は心理的な原因のために生じる症状であり、神経学的な診察や検査では異常な箇所を見つけることは出来ません。そして、症状としては重症ですが、本人はあまり深刻に考えていない場合が多々見受けられます。

それぞれ解離性という名称がついていますが、それは大なり小なり解離症状が合併していることが多いためです。また、最近では運動障害などの大きな症状は減り、疼痛(とうつう)やめまい、吐き気などの軽微な症状がこれに変わって目立つようになっています。

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